株立ち、根連なり、甲羅吹きなどは、いずれも一元(ひともと)より複数の幹が立ち上がっていてそれらのバランスの妙を楽しむ樹形です。もっともそれらの樹形には明確には区別のつかない場合もありますが、盆栽とは本来天然自然の生命の力と人工の力が加わって完成に近づいていくものなので、それらの樹形の定義にはあまり拘らない方がよろしいと思います。
先月の末に隣市で開催された交換会で競り落とした楓の甲羅吹き樹形。株立ちとも云えますが、足元が海亀の背中のように甲羅状に盛り上がっていますね。ですから、この際は甲羅吹きと呼ぶのがふさわしいと思います。
樹高18.5cm×左右25cmで幹の数はおおよそ15本くらいです。
このような樹形のポイントは
①甲羅に傷が少なく、あっても完治可能であること。
②株立ち状の風景が左右に広がって動きがあること。
③幹の数は必要最小限度にとどめること(この場合は10本以内の予定)
右側面より。
左側面より。
後姿。
正面やや上方より。
その他の所見
①葉刈り後再び新芽が吹き出したところです。軽く肥料をやって樹勢の充実に努めましょう。
②今年中に二度目の葉刈りは無理のようですから、以後は芽摘みと葉透かしで形をととのえます。
③本格的な整枝は来春の植替えと同時に行います。
④サイズと樹形の個性からみて、三点飾りの添えが一番似合うでしょう。名脇役を目指して頑張りたいと思います。
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