2020年3月22日日曜日

山もみじ・一年の計

「一年の計は元旦にあり」と云いますが、盆栽の場合大概の樹種は早春の2月末から3月いっぱいごろが一年の始まりと云えましょう。
太枝の剪定を伴う大改作なども、この時期に植替えと同時に行うのが普通です。


昨年の春ごろ手に入れましたが、足元の傷が思いのほか深く大きかったので、一年間手を入れずに、ひたすら傷口の回復を待ちながらの持久戦。
根っ子も枝先の順調さとと同様に、元気で旺盛な勢いです。


樹形は山もみじには珍しいいわゆる半懸崖方式で、自然界では滝壺などの断崖絶壁を連想させる峻険な景色ですね。
葉性が細かく枝先も良くほぐれています。
かなりの古木ですね。木肌の縦縞がきれいです。


画像でご覧になれますね。足元に大きなヤケがあり(足元がもぐっていて、もっと小さく見えた、誤算!)ましたが、一年間の丹精で芯の部分を残してかなり巻き込んできました。


灰色の芯の部分がまだ未回復。園周囲の濃い茶色部分が一年間で肉巻きした部分。
このペースではあと一年間で一応の肉巻きは完了するでしょう。ただ問題はその部分が丸幹ではなく凹型にへこんでいて、ちょっとカッコがよくないことですね。


いわゆる陥没したような形です。


この傷口さえなければ、持込の古いかなりの逸品なのですが。


とにかく「一年の計」を実行してみて、この傷口がどのような形で肉巻きしてくるか、それが楽みです。とにかくもう一年、ひたすら肥培につとめることにしました。適切な管理さえ行き届けば、盆栽は自然に自らの形を整えて立派な姿に育つという面もありますからね。


欠点や未完成部分を残したものはやりがいがあります。一年先のこの山もみじの姿が楽しみです。

というわけで、先端の芽が2~3節伸びています。1節残してピンセットの先で芽摘みをしましょう。早い芽と遅い芽では10日くらいの差があります。摘み残しのないようにしてくださいね。

もうひとつのポイント。
肥培といっても肥料のやり過ぎはいけません。葉性のいいもみじでも、節間(せっかん)が長くなって枝が粗くなってしまいます。

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