水石界には加茂七石(かもしちせき)という区分けがあります。京都の加茂川に産する石は川の支流や谷によってさまざまな変化があります。その中で代表的なものが次にあげた七つです。それらは庭園の素材や水石として珍重され、平安、室町の時代から日本文化の重要な要素を成してきました。
八瀬石(やせいし),貴船石(きぶねいし),鞍馬石(くらまいし),紅加茂石(べにかもいし),賤機糸掛石(しずはたいとかけいし),雲ヶ畑石(くもがはたいし),畚下し石(ふごおろしいし) 。ベテランの水石家はご存知でしょうが、勉強中のかたは是非憶えておいてくださいね。
サイズ間口17×奥行き8.5×高さ5.8cmの貴船石。いわゆる掌上石(しょうじょうせき)の部類に入るサイズですね。貴船石では紫貴船がよく知られていますが、この石は珍しく八瀬石のような灰色系で、渋みのある地味な雰囲気が持ち味のようです。某有名愛好家より放出された抜群の名品です。
薄型で主峰と副峰の二山で構成された静かな霊峰。深山幽谷の神秘的な世界へわけいった雰囲気です。
山肌の変化に味があり、スケールの大きな景を連想させてくれます。
正面やや上方より。主峰と副峰のバランスが絶妙です。実際の大きさよりも大きく見えるのは、この石の持つスケールの大きな景色のせいでしょう。
後姿もなかなかの厳しさが感じられます。画像では伝えにくいのですが、なかなかに変化のある景色です。
台座を外して見ると石底の変化が見てとれます。名石は台座がなくとも名石ですね。人の手の加わっていないウブ石の魅力が伝わってきます。
紫檀の高級台座。名人クラスの作品で出来上がりのよさは申し分ありません。
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