キハギは黄ハギではなく木萩と書くのが正解です。万葉の昔から日本人にとって深いなじみのある萩の仲間ですが、木でありながら草のようであって、そのため名木と称するような立派な盆栽然とした姿にはなりません。多くは草物盆栽風にやや木質化した状態で添え草風に仕立てて楽しむのが普通です。
樹高20cmで左右も20cmの株立ち樹形。もともと単幹の太い木にはなりにくい潅木なので、このように本数を制限して株立ち状に作るとまとまった景色を表現することができます。
長年の丁寧な持込みにより足元にも落ち着い雰囲気が表現されています。
表皮が剥けて百日紅のようなきれいな木肌になります。
明治の文豪・夏目漱石の句に「行けど萩 行けど薄の 原広し」というのがあります。いかにも漱石らしく軽妙でありながら強く寂寥感をにじませた句ですね。
後姿。おそらく愛好家さんが長い年月をかけて丁寧に作り込んだ作品でしょう。里山の風景を彷彿させる情緒にあふれた一鉢です。
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