2012年8月22日水曜日

杜松・古葉掃除と芽摘み 1

山取素材がすっかり枯渇してしまったために、なかなか優良な素材には巡り会えませんが
大物にもミニ盆栽にも向いたその特質から、杜松の盆栽界での人気は不動の地位にあります

さて、その杜松の手入れで欠かせないのが適切な芽摘み
4月頃から9月の中頃をめやすに適宜おこないますが、それと同時に古葉の除去(掃除)を徹底すると凄い培養効果をあげることができます

そこで今日は、その古葉の掃除について
しっかり勉強し、改めて効果と必要性について認識を確かにしていただきたいと思います


上から見た限りでは、芽摘みの必要性こそ感じますが
うっかりする新芽に目がいってしまい、古葉の掃除までは思いつかないことがあります


ところが葉裏から見ると黄ばんだ古葉がびっしりこびりついていますね
この古葉が通風をと日射しを妨げて、せっかくの胴吹き芽の成長のじゃまをしているのです


拡大してもっとよく観察してみます
ありゃ、こりゃひどい!


樹冠部付近の吹き込んだ棚に指を突っ込んで、フトコロの様子も観察してみます


混み合ったフトコロの中は、それでなくとも通風がわるく蒸れやすい
さあ、細かい作業で面倒ですが、ピンセットと小ハサミで古葉掃除にとりかかりましょう


ピンセットと小ハサミを使って茶色くなった古葉を取り除いていきますが
画像のように、古葉に隠れて小さな芽がけっこう吹いていますから、これらを傷めないように気をつけます

根気のいる作業ですが、頑張ります
ちなみに、剪定や針金かけなどの整姿は下(足元)からですが、掃除は盆栽の上(樹冠部)から行ないます

なぜって、ゴミが出ますから
上から綺麗にしていくほうが合理的ですね


枯れ葉はピンセットで、小さなイボ状になった複数の芽の塊などは小ハサミで
順次掃除を進めます

赤印の先に胴吹き芽がありますから
これらを傷めないように


芽止りした芽の先端はピンセットでは取り切れませんから
小ハサミでていねいに切り取る


その元に胴吹き芽が用意されていました


せっかく吹いた胴吹き芽ですが
通風がわるいために蒸れて黄色く変色してしまった

これもハサミで除去


だいぶきれいになってきましたが
せっかくですから、もっと徹底的にやりぬきましょう

一応上から下まで終わったら
もう一度上に戻って、下までもう一度仕上げ作業を繰り返せば、ほんとにきれいになりますよ

つづく

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