持ち荒らした盆栽の骨格だけを利用し、以前とまったく違った姿への改作の魅力は
いちど味をしめると病みつきになるほどです
第一に、持ち荒らした素材は安価なので
うまくいったときのお得感は応えられませんな(笑)
もちろんうまくいかずに、安物買いのなんとやらになることもしばしばですが
ともく、骨格がしっかりしていて個性のある素材を物色するのが成功の秘訣です
さて、今日は常連のクロちゃんの改作作品をご紹介しましょう
寡黙で飄々とした風貌に似合わず、彼の発想は個性的でなかなか大胆です
私が半ば放り出して、待遇の悪くなった盆栽たちの中にもぐっていた楓の石付(樹高13cm)
3~4年前にクロちゃんが見つけ出した掘り出し物です
大きな傷がなかったのと、石を半ば呑み込んでしまった迫力とおもしろさ
さらに持ち込みの古い木肌の味に目をつけたのでしょう
そして、みごとに復活!
復活というより、再デビューの大ヒットといったほうが当たっています
石を呑み込みかけた根を幹に見立て、左と右に利き枝を配した構図がいいですね
変形の面白さに本格模様木の要素も加わって、堂々たる貫録です
クロちゃんが先週のスクールで葉刈りした姿ですが
赤点で示した二の枝の表情が特に目立っていますね
以前の姿を知っている私だけに
みなさんよりもよけいに、この楓のよさを感じるのでしょうね
枝に力と繊細さが加わるにはもう2~3年かかるでしょうが
クロちゃんならば安心です、きっとそこまでもっていくでしょう、期待しています
後姿
クロちゃんの改作作品・梅もどき(樹高16cm)
この梅もどきの以前の姿は知りませんが、クロちゃんの説明によると
手にれてから木の裏表を取り替えて作りこんだそうです
実物を見ると、根元の座の形や動きはもちろん
幹立ちのバランスまで検証しても、現在の正面が正解のようです
梅もどきという樹種は、根が綿のように軟らかく細いため
古木になるとこまめでていねいな培養が必要になります
この梅もどきも、枝先や木肌にかなりの古色感がにじみ出てきていますが
左の輪郭線のできあがりや、右のハネ出し部分のほぐれが今一息ですね
気合いを入れてがんばってください
梅もどきの株立ちとしては逸品レベルに達しています
みなさんも掘り出し物の素材を見つけ出し
改作にチャレンジしてください、楽しいですよ
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