2010年7月23日金曜日

くちなし正面変更

あえて定義すれば「株立ち」の樹形でしょう
甲羅状に発達した根元が力強く盛り上がって、主幹とそれを囲んだ子幹とがバランスよく立っています

出会ったときから、正面の変更案が頭に浮かんでいましたが
家に帰ってよくよく検討した結果、やっぱり最初の直感に従って実行することになりました


出会ったときの正面

甲羅の形や動きは申し分ありませんが
向かって左に立つ主幹がよく見えません


足元から観察すると、2本の→で示した利き枝が主幹の元あたりにあって
それが前枝なので、主幹の立ち上がりを隠してしまっています


つまり、上から見るとこうなります

上から↓が旧の正面で丸印が芯の部分
2で示した枝が利き枝(前枝)なので上の矢印方向から見た場合、この枝がじゃまになるのです

反対に、下の↑方向からの角度が新正面
1で示した利き枝が主幹のじゃまはしません


側面より見ます

右方向が旧の正面です
主幹をよく見せるためには、赤線のように利き枝(前枝)を切らねばなりません

すると、足元に意外に大きな傷を作ることになる
果たして大きな傷を作ってまで、こちらを正面にするだけのメリットはあるかどうかの損得勘定となりました


反対側をじっくりと観察

1 座元にボリューム感があり傷っけも感じられない
2 右の主幹のやや横下に利き枝もあって、主幹の立ち上がりをじゃましない
3 こちらの角度だと主幹にいい模様が感じられる

などなど、総合点でこちらへ軍配が上がりました


じゃまな不定芽を取り除き、主幹がすっきりと見えるようにしてみました
これなら座元に傷も作らずにすむし、正面変更決定ですね


新しい正面

座元の形もいいし、傷っけも少なく、足元がきれいな感じ
芯に模様があり、横に伸びた枝も利いています


くちなしは丈夫な樹種
多肥多水で育てます

今後は部分的な針金かけと切り込みにより
このような構図を念頭にれて仕上げます

0 件のコメント:

コメントを投稿