基本の骨格を作る過程の黒松ミニの素材
この段階で、立ち上がりから芯までの幹筋、利き枝の決定などが未完成の場合
ご覧のように、思い切って樹勢をつけて太らせます
伸ばし太らせて切り込む、そしてまた伸ばし太らせて切る
この繰る返しで基本樹形のあらましを作るのです
黒松盆栽では、初期の段階ではこのように少々荒っぽいことを繰りかえさないと
黒松特有の力強い感じの樹形を作り出すことはできないのです
この黒松も春からの肥培で十分に樹勢がつき
切り込みのチャンスがやってきました
黒松の芽摘みの時期としては少々遅めになってしまいましたが
今年の夏は例年より暑そう、樹勢が抜群にいい、その二つの理由から改作を実行します
作業前
新芽の元の昨年の葉、つまり古葉を2~3対くらい残して刈り取ります
このさい、元の1~2ミリくらいは残すように(この作業はあらかじめ4~5月にやっておくといい)
枝と枝が交差した奥まった箇所もきちっと手を入れるように
これで幹筋の細部までよく見えるようになりました
ところで従来は裏と思っていたこの角度、こっちの正面の方がいいようですね
先ず足元から立ち上がりにかけて動きがあります
一番成長の著しい芽を芯にすると模様もきつくなり、枝くばりもうまくなる
急遽こちらを新正面に変更です
古葉を整理して木筋をよく見えるようにすると、こんなうれしい効用もあるんです
不要な枝を数本抜いた時点で再点検
白点が芯、赤点が差し枝、右の黄点は前枝として小さく残します
左の黄点も小さくして残しましょう
今年の新芽の半分を残して枝として活用します
だんだん構図が見えてきましたね
左からきた幹が右に向きを変える理想の位置に赤点の枝があります
右の黄点はやや斜め前に向いた前枝、左の黄点も重要な枝となるでしょう
白点の新芽も半分を残して新しい芯としました
完成した新正面(樹高9.0cm)
従来の正面は裏となりました
関東以西の愛好家さんにとっては、元気のいい素材はまだまだ切り込めますよ
関東以北の方はちょっと時期が遅いでしょうから、来年廻しですね
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