2006年3月10日金曜日

楓寄植え落札

先週の土曜日、すばらしくいいことがありました
盆栽屋のそんなにいいことって何だとも思います、みなさん?

それはネ、自分の気に入った盆栽を手に入れたとき
盆栽屋が至上の歓びを感じるのは、まさにそのときなのです

おまけにその盆栽の価格が「思い切り安かった」りすると
歓びは数倍に膨れあがり、ほとんどハイな気分となってしまいます

この楓の寄植えが手に入れたお気に入りの盆栽
樹高約70cmで樹齢40年(私の前の持ち主が自ら寄せたものですから間違いなしです)



7本の根は長い間に癒着し盤状になっていて木肌も真っ白
幹の配列と太細も申し分なく、枝のゆすりにも古色感が表われています

もっとも、欠点がないわけではなく、枝先の繊細さが足りないことは画像でもわかりますね
それに、植え付け角度がやや狂っているようです

しかし、どちらも矯正できることであって、致命的ではありません
およそ5年の培養で国風盆栽展入選も充分可能と踏んでいます

ところで、、先週の土曜日のこと

ある(正直、あまり上物を当てにできない)小さな盆栽のセリ市に
遠方からみえたご隠居風のおじさんが、この寄植えを持ち込んできたのです

年をとって大きな盆栽の手入れが大変なので、惜しいけれど手放すそうです
この他に、アケビの老木と岩しでの双幹のなかなかの上物が一緒でした

私の観察では、その3鉢の中でこの楓寄植えがだんとつ
上物とはいえ、他の2鉢は素質的にぐーんと落ちて、国風盆栽展には100年経っても無理です

ともかく「今日は、この楓狙いだ」と朝一番に決意しました
こういう場合は、この「何が何でも競り負けないで買ってやる」と思い込むことが肝心なのです

でも、この決心は顔には出さずに、心の奥底に秘めておくのです
私が狙っていることを知って「俺も買おうかな」と、突然に真似っこおじさんに変身する商売人がいるんですよ

で、関心のないアケビや岩しでの双幹を誉めちゃったりして
前哨戦の駆け引きにも、けっこう能がない頭を使いまっせ

それやこれやで、嬉しいことに邪魔も入らず
立てた胸算用の半分以下で落札!

やったー!

「楓根洗い」へつづく

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