2006年3月23日木曜日

支那鉢鑑定のコツ

この項、2月26日のつれづれ草「支那鉢・鉄画軒」と併せてお読み下さい
きっとみなさまのお役に立てると思います

さて、大正時代を中心に中国で作られた「支那鉢」は約100年前の作品ですが
戦後に作られた新渡(しんとう)だって、ゆうに40年以上前のことになります

昭和の末から平成の今日に作られた、俗に新々渡(しんしんとう)と呼ばれている鉢も
なかには20年を経たものもある始末で、しっかりと見分けのコツを飲み込んでおくことが必要です

さてみなさん、よろしいですか

朱泥外縁雲足木瓜式 間口15.5×奥行12.8×高さ5.8cm 新渡朱泥雲足木瓜式 間口15.5×奥行12.8×高さ5.8cm


左が通常盆栽界で「支那鉢」と呼ばれる「中渡」

右は、平成になって中国で作られ輸入された、いわゆる「新々渡・しんしんとう」で、中渡のコピー製品です
両方をよく見比べてください、どこが違いますか?

ポイント1

支那鉢はタタラ作り、新々渡は型作り


タタラ作りとは、板状に延ばした粘土で底面、側面など部分を作り、それを組み立てる技法
つまり、ツーバイホー工法といえましょう

ですから、底面と側面の接する辺の部分に補強がなされてるのが普通です
↑の丸鉢の内側の白っぽい部分、それが底面と側面との接する箇所を補強した痕跡

そして、中渡では、この補強が一気(一発仕上げ)に行われたことが歴然としており
何度も重ねて粘土を磨りこんだりはしていないのが最大の特徴です


比べて新々渡の場合は、大量生産の型作りなので、底面と側面との境がありません
のっぺりとした内側の様子です



もっと拡大してみます
鋳型を使って成形したことは明らかですね

ポイント2

両方の水穴をよく見比べてください

中渡の穴は一発仕上げ
つまり、開けっ放しであとから体裁を整えたりしていません
それに比べて新々渡の水穴、角がなく滑らかな感じですね

以上、2点のポイントを覚えてください

では

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