2005年12月1日木曜日

けやきの再教育

けやきほど樹形が定型化されている盆栽樹種はないでしょう
その分だけ作り方が難しいとも言えて、その代表が箒作りですね

他に段作りといって、真っ直ぐに芯を通し枝を左右に振り分けた作り方もありますが
どちらにしろ立ち上がりから真っ直ぐな幹です



けやき名人が仕立てた樹齢10年の本筋けやき箒作り

立ち上がりからすっくと立った幹と天に向かって扇状に広がった枝が特徴で
箒を逆さまにした形から「箒作り」と呼ばれるのは知っていますね

さて、その箒作り
10年を経た頃になると、ふところの枝が絡んだり交差して乱れてる箇所が出てくるのです

この頃が将来にための再教育の時期で
針金で枝の向きを本来の方向に正しく導き枝分かれの角度も矯正します

当然場所により枝の疎密は生じますが
空いた空間に他から枝を無理やり誘導するようなことはしてはいけません(ここが重要)

せっかく骨組みの筋を矯正した意味がなくなるのです
植物は日当たりと風通しのいい空間に自然と枝を伸ばしてくるものです



真上からの画像を見てください
枝は必ずしも均等に配置しているのではなく、本来向かっている方向に素直に伸ばしています(ここが重要)

こうしておけば基本の骨組みは狂わず
また日当たりと風通しのいい新しい隙間は必ず数年で埋まります

この再教育さえきちっと行えば「向こう10年間」は「芽摘み、葉刈と葉透かし」を繰り返すだけで
本格的なけやきの古木盆栽への道は約束されたようなものです



ところで、再教育の後に気をつけることは

1 冬の寒さから保護する(特に乾燥した冷たい北風)
2 6月初旬の葉刈と同時に針金を外す
  但し、枝分かれの元(枝元)や芯の先端など太りやすい箇所は
  様子を見ながら早めにその部分だけ針金を切る

その2点です

みなさんもさっそく実行!!

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