2015年5月1日金曜日

舞姫三年生苗を育てる

昨年の秋に【舞姫挿木苗・育て方】として書いた記事から約半年
一年生の挿木苗は二年生となり、元気に新芽が展開して15~20cmほどになりました


来春までは移植をせず、また剪定もせずに
このままで育てます


当歳から二年生にかけては移植をしない方が育ちがいいようです
水と肥料をたっぷり目で伸ばしっ放しで育てましょう

かたやこれらよりも一年上のクラス、つまり三年生となった挿木苗は
今年の春に各々仕立て鉢に入れられて既に独立しております

そこで、それらの中からランダムに14鉢を選り出して
何年間かの将来の姿を追跡してみることにしました

現在の姿からどのように変化していくのかは、今の段階ではまったくわかりませんが
とにかく番号をつけて出来るだけの追跡をするのも興味深いものがありますね

2013年3月もしくは5月に挿木されて現在三年生となった舞姫もみじ苗
太さは直径で2.0mmから太いもので5.0mmくらい

樹高も大きいのから小さいのまで
形もなるべく似いていないものを選びました

どのように成長していくのか折にふれてみなさんへご紹介いたします
どうぞよろしくご声援ください


No,1 樹高約10cm No,2 樹高約15cm


No,3 樹高約17cm No,4 樹高約18cm


No,5 樹高約25cm No,6 樹高約30cm


No,7 樹高約 23cm No,8 樹高約15cm


No,9 樹高約28cm No,10 樹高約25cm


No,11 樹高約25cm No,12 樹高約40cm


No,13 樹高約40cm No,14 樹高約30cm

★今から入梅前あたりにかけての培養管理のポイント

とにかく当分は枝葉を伸長させて幹の充実をはかりたいので
日当たりのいい棚で水を多めにやりながら管理する
そして5月初旬に油粕の個形肥料を施す

2015年4月17日金曜日

極性もみじの7年間

何年になるでしょう?
愛知県のKさんに買っていただいて

当時はいわゆる回復期であり改作の途中でもあったので
そのままお預かりして何年も過ぎています

葉は小さくて形もすっきりとして、いわゆる優良の葉性
節と節の間、すなわち節間(せっかん)が間延びしないのが特徴です

このもみじを手に入れたばかりに書いた盆栽つれづれ草が
2008/11/24の項にありますから、それから7年半も松戸の宮本盆栽にいるわけです

Kさんに買っていただいたのが何年かは覚えていませんが
とにかく辛抱強く待って下さったおかげで、かなりよくなってきましたよ


現在の画像 樹高約10cm


2008年11月の画像 樹高約10cm

樹高は約10cmでほとんど変わりませんが、幹はかなり太くなったようです
一と二の利き枝は勢いをつけるため徒長させたので、これから数年かけてもっと短く締める必要がありますね

その点がこのもみじの最大の課題でしょう
盆栽というのは生き物で常に成長するものですから、課題も常につきものですね


今年の手入れは、まずは芽摘みから
1~3芽くらい伸びた小枝の先を1芽だけ残して摘み込みます


爪の先で摘める程度の時が適期です


毎日芽先を観察して芽摘みを繰り返します
特に左右の間口がやや広がっていますから、この幅を縮めるのが先決ですね

Kさん、芽摘みと片葉透かしなどが終った時点で
お送りしますね

骨格の改作が終わったので
そろそろタッチ交代しても大丈夫でしょう

では、雑木手入れの大切な時期ですから
みなさんも気合いを入れていきましょう

2015年4月13日月曜日

椿について

おもに盆栽に仕立てられる椿の品種と云えば
花は一重で小輪、葉もしまった感じのものが似合います

今日ご紹介するのは藪椿の系統に属する品種で出雲大社
小さめで筒咲きの濃紅な花弁が美しいことで知られています

他には詫び助なども有名で、その中でも赤詫び助、白詫び助
さらに胡蝶詫び助なども盆栽向きです


出雲大社の模様木

出雲大社は藪椿の中から発見された超優良品種ですが
他にも日本各地に自生する藪椿の中から、花の色や形が優れた品種が発見されています


一重小輪筒咲きの椿(出雲大社)、濃い紅色が鮮やかな名花です
枝も葉もこじんまりとして節間もよくつまるので盆栽向き

耐寒性にも優れ性質は丈夫ですから
培養的には楽な品種です

植え替えは花後の4月に剪定と同時に行います
夏場の乾燥にも強いのですが、水は多めにやった方がよく育ちます

あまり樹形にとらわれず自然体の樹形が似合います
ぜひ一鉢持っていただきたい樹種ですね

2015年4月11日土曜日

十月桜について

日本の花はと聞けばほとんどの人は「桜」と答えるでしょう
開花の華やかさはもとより散り際の潔さもふくめて愛されているのですね

「敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花」

また、その開花期は農業や園芸の作業時期の目安として
私たちの生活の中にも深く根付いています

現に、このつれづれ草をお読みになっている盆栽人の中にも
「桜が咲く前に雑木類を植え替えよう」とか

「桜が咲き始めたから松柏類の植え替えにかかろう」など
桜の開花時期を植え替え時期の目安としている方がいらっしゃるはずです

ちなみに、私も桜と
それよりよりちょっと早めに開花するコブシとの二つを目安にしています



ところで、今日紹介するのは十月桜

盆栽に仕立てられている桜は幾種類かありますが
富士桜とならんで花も枝ぶりも矮性なのでミニ盆栽向きです


秋10月と春4月の二季に咲くところから
十月桜と呼ばれますが

やはり春の開花の方が花が大きくって色も濃厚ですね
春爛漫の雰囲気を満喫できますよ

ぜひみなさんに楽しんでいただきたい樹種です
管理もやさしく丈夫ですよ

2015年4月3日金曜日

黒松植え付け

関西から東京へ赴任したおり可愛がっていた幾鉢かを連れて来たけれど
仕事が忙しくて手が行き届かないという愛好家さんが手放された黒松

なんかパッとしないんだな
古くって木肌もよく荒れているし、いいとこあるのになー!?

そんな中途半端な印象を持ちながら
数日眺めていたんです


樹高約20cmで全体としては双幹体になっていて
ご覧のように鉢持ち込みが古いため、、松柏類には珍しく根は盤状に発達しています

ただ、お仕事がメッチャ忙しいため水やりが不均衡とのことで
全体的に樹勢が抜群とは云い難いところです

このように新しく手に入れた盆栽は、おおよその培養計画が見えてくるまで
じっくりと観察を続けることが大切です


ということで、この黒松は植え替えを行うことが決まり
今年一年間の樹勢回復を目標にします

根全体にバクテリアがビッシリと繁殖して予想外の良好状態
正直、鉢から抜いて根を見るまでは、てっきり根腐れしていると思い込んでいたんですよ

これじゃ、ちょっと値段が安す過ぎましたね
悪いことしちゃいましたm(_ _)m


この黒松の植え替えのポイントの第一は、植え付けの高さ
今までの植え付けが低めなので、せっかくの足元の力強さが目立ちません


ですから、土と根をほぐす場合に底をあまり追い込んではいけません
反対に鉢の表面、つまり上根(うわね)の部分をできるだけ削り取るよにします


土と根のほぐし完了


あらかじめ鉢底にゴロ土と粗めの用土を
やや多めに敷いて高めに植え付けます

植え込み完了の図↓を一番上の作業前の図と比べてください
盤状に発達した足元がよく見えてグーンと力強く感じられますね


植え込み作業完了の図


後ろ姿

ちなみに、黒松の植え替えは今が最適ですね
バンバンいきましょう!!

2015年3月25日水曜日

けやき箒作り10年生

2011/01/27  2011/12/01  2014/01/03

2007年に始めた箒作りの3本の見本苗も、とうとう今年の春で10年生生となりました
ここまで来るまでに何回かの途中経過をお伝えしてあるので

当初3本あった見本も2本は落伍してしまって1本に絞られているのを
ご記憶の方は大勢いらっしゃると思いますが、とにかくここまで来ました

もちろん「無事に来ました」とはお世辞にも云えませんね
昔の画像を見るとよくここまで来られたもんだと冷や汗さえも出てくる感じがします



2015年春、植え替え前の姿 樹高約15cm


昨年の春にも植え替えをしてあるので、矢印で示した中くらいの走り根があるくらいで
ゴツイ根っ子はみあたりません

小枝の柔らかさを求める雑木盆栽の根は
よく追い込まれて細かく分岐していることが大切です


ですから、あまり徒長しないうちに追い込んでおくことが大切
これは枝と同じ原理です


白い矢印の部分は改めて追い込んでおきましょう


10年目にして初めて化粧鉢に入れましたがやや深めですね
最終的には現在の半分くらいの深さが目標です

2015年3月21日土曜日

楓株立ち改作(続編)

昨年の項を参照しながらお願いします

取り木をした苗を親株の足元に植え込み、全体の構図を決める作業
株立ち樹形にとってはもっとも大切な仕事で、これでイメージが決まっちゃう感じですね

で、この冬はかなりの暖冬だったので早めの作業となりました
結果は?

そうですね、あらかじめ取り木をしておいた苗が想像よりも細かったので
親株との調和に少々工夫が要りましたが、まあまあの感じに仕上がりました


昨年の晩秋の画像


昨年の秋の段階の計画図

実際の作業の段階になってみると取り木をした苗が細すぎて
とても一本では左下の大きな空間を埋めきれないことが判明


作業後の姿

そこで、5~6本に枝分かれした苗のほとんどすべてを使い
図のように枝が斜め方向に広がるように植え込み、奥行きも感じられるような構図をとりました

親株と子幹がやや離れ見えますが、それは保護の水苔のせいです
何年かの後には両者の根は、同じ株として癒着してしまいます

さあ、今年は行きますよ!
葉刈り2回を目標に樹勢の充実に励む予定です

2015年3月20日金曜日

山もみじ超ミニ・筏吹き樹形

本来なら幹や枝として育つ部分が地面に倒れた状態で発根し
幾本かの幹が株立ち状に立ち上がった樹形を筏吹きといいます

今日ご紹介するのは取り木の技法を使って
山もみじの単幹を人工的に筏吹き樹形へと改作したものです


左の主幹から出ていた長い枝に幾本もの子幹が立ち上がって
ひと群の樹形をかたち作っています

つまり右に伸びた部分が長い筏に似ているというわけですね


主幹は赤点を新しい芯として子幹とのバランスをとっていきます
右に伸びた今までの差し枝は地面に接して植えられており

将来はその下部からの発根を期待してわけですね


正面拡大図


主幹の拡大図


子幹の拡大図


将来の目標図、こんな感じの樹形を目標にしています


現在の後ろ姿

さてさて、いきなり鉢に入った状態の筏吹きを見せられても
経験豊富なベテランさんはともかく、初心の方は何が何だかお分かりにならなかったでしょうね

それではここで順路を修正し
初めの部分からご説明致しましょう


植える前の状態

主幹は一の枝の下のあたりで取り木をかけられぞっくりと発根し
今までの根にあたる下部はすでに切り離されています


拡大図


下部を切り放された主幹


以上の状態から、根をさらに短く切り込み
差し枝の下部が地面に接するようにして植え込んだわけですね

これでお分かりになりましたか

株立ちや根連なり、筏吹きなどはお互い似たようなところもあり
じっさいに両方の要素を持ち合わせているものもあります

盆栽の場合、筏吹き樹形は
おもに取り木の技法を駆使することにより容易に可能になります

楽しいですよ、ぜひチャレンジしてください

2015年2月11日水曜日

スクール速報・ターさんのけやき箒作り

前述のツカさんのよき相棒でもあり
年の順でいくと長男と年の離れた末っ子くらい差のある弟分だし
その上よきライバルでもあるターさん

北海道出身の大らかな人柄で、加えてなかなか口もはっきりしていて
けっこう言いにくいこともズバズバです

けれど明るい気取らない人柄のせいで
それらの言葉がすべて楽しい笑を誘ってしまうからおもしろい

盆栽だけでなく、ギター、将棋と多趣味で
何気ない世間話でも話題がとっても豊富です

いわば、人生の達人とも例えられる
日常を楽しく生きる術をよく知っているのですね

さて、そんなターさんが持病の治療のために何日か入院することになり
可愛がっている幾鉢かを預かることになりました

その中からけやきの箒作りをご紹介することにしました
樹高はわずかに10cmですが、気配りの効いたターさんの培養のおかげで、なかなかに見どころがありますよ



正面からの図

ターさんの培養は、鉢をやや小さめにして
その鉢の大きさにあわせて多肥多水を避けた控えめな培養が持ち味です

ですから、芽の伸びや幹の太りはあまり促進されませんが
抑制された培養によって小枝に落ち着きがあります


裏側


正面の拡大図

しまった小枝とやや古色感を帯びた木肌の味わいが印象的ですね


樹勢も抑制されているので不定芽もそう多くはありませんから
枝元から枝先にかけての不要枝はほとんどありません

大きな仕立て鉢に入れてどんどん太らせているこの兄弟木と比べてみたんです
太さは倍くらい違いますが、盆栽の品格と雅味となると、これは比べ物にならない

というわけですね

さて、今季の剪定は輪郭線を整えるだけでオーライです
ターさんもそろそろ退院するころです

がんばってくださいね!!