2020年11月25日水曜日

箱書き

小鉢の収集家から桐箱とその表書きを依頼されまあまあに仕上がったので、ブログの読者の皆様にお披露目する気になりました。ひとくちに桐箱といっても材料からデザイン技術までピンキリですが、今日ご紹介する八つは中身から箱まで優秀な作品ばかりです。


平安東福寺・緑釉外縁二段切足長方
やや重みをもたせた楷書体を主にし、作者名(平安東福寺)を下部の隅にそっと静かにおいた対比が個性的です。


平安東福寺・緑釉窯変切立楕円水盤
東福寺の小品水盤は希少で、出来上がりも非常にいい感じです。


東福寺・鉄砂釉正方水滴
鉢ではなくしゃれた文具です。小物らしくやわらかく崩した草書体がよく似合います。


平安東福寺・紫泥外縁二段切足長方
横に字数が多過ぎるので、作者名(平安東福寺)を中央へ配し、鉢名の文字をやや癖のある行書体にしました。力強い迫力のある文字列ができあがりましたね。


島岡達三・三島手外縁切足楕円
やはり行書体風の文字をやや細めにおとなしくまとめました。もう少しボリューム感が欲しかったかな!?


東福寺緑釉隅入切立長方
鉢の形状は隅切りと隅入は間違いやすいのですが、縁の内側の隅の切れ込み具合から見ると、隅切りというまでには切れ込んでいませんので、隅入としました。微妙なところだと思います。
文字はきっちりと楷書体にまとめて、簡潔堅牢で好感が持てます。


水府散人・天目釉反縁段足長方
初っ端の天の字に思い切りアクセントを置いて変化を出し、それ以下の文字にはやや崩しを入れて総体を上手くまとめてあります。


永田健次郎・瑠璃釉反縁猫足輪花式
非常に珍しい鉢でめったに見られない形状です。また蔵者はこの釉を均釉と見たようですが、日本鉢であるが故に素直に瑠璃釉と表現してみました。均釉という場合は対象が支那鉢の場合に使用していただきたいと思います。

 

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