現代小品盆栽絵鉢作家の最高峰と云えば、それは誰が何と言おうと月之輪涌泉をおいて他にはありません。それはみなさんもご存知ですね。
ところで、涌泉の凄いところは、絵付けから成型まで超一流であったところです。
今日ご紹介する涌泉作(間口11.2cm×奥行き9.6cm×高さ4.3cm)の青磁長方鉢。並の作家ではこのボディすら大変ですが、涌泉は光り輝く美しい青磁釉で仕上げています。
向かって右の縁に沿って茶色の筋が見えますが、これは傷でなく釉薬が飛んだ釉飛び(くすりとび)です。
輝くような青磁釉です。ほどよく外へ出た縁の強さ、大きめながらじゃまな感じのない足。美しく安定したフォルムですね。
その安定間の秘密はこのソフトな線にあるのでしょう。あくまで上品で優美です。
実用を考慮して水穴は多めに開けています。そのせいか赤点に沿ってカマキズが走っていますが、この傷がさらに拡大する恐れはほとんどありません。
ところで、涌泉の青磁鉢は絵鉢に比べて価格評価ははるかに低いものでは在りますが、実用という面からは高い評価をうけています。松柏はともかく雑木や花もの実ものであれば、たいがいの樹種に映るからですね。
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