入梅中には雨が少なく、かと思えば夏の間には局地的な大雨があったり、さらに秋になっても日照の少ない日々が続いたりと、非常に不安定な気候が続いています。
そんなわけで、今年は比較的早めから寒冷紗外しのタイミングを狙っていました。遅くなれば秋の充実期に日照不足を加速させてしまうからです。
とはいえ、設置してあるものを取り外すのはついつい億劫な作業なので、、自らを励まして叱咤するのが毎年の習になっています。ああ、しんどい!
斜めの日照を遮るためのカーテン状に張った寒冷紗をまず外す。屋根の部分はその後。
カーテン状の寒冷紗を外しただけで、グーンと明るさが感じられます。。と云うことは逆に云うと、寒冷紗の効果が実感できるときでもあります。カンカン照りの元ではかえって遮光率50%の効果は実感できにくいものなのです
あらかたの作業が終わりましたが、来年用に備え寒冷紗の収納だけは丁寧にやっておくこと。このわずかな気遣いが来年の設営作業の能率に大いに影響します。
ところで、今年の夏の日照が少なかったせいで、正面に写っている舞姫もみじの素材の作柄がいいようです。やはり例年よりも真夏の環境がやさしかったようです。
例年だといくら寒冷紗下でも葉焼けで傷んだ部分もあって、葉全体がこれほど青々としてはいませんね。
さて、この五葉松の大木も寒冷紗の下で夏を過ごしました。その昔はどこの盆栽屋でも、五葉松の大木は一年中棚の不動の位置に鎮座ましましていたものですが・・・
つまり、春から秋までの培養期はもちろん、夏でも涼しい場所へ移動する必要はありませんでした。そして、寒さにもビクともしない強靭な性質に恵まれているのですから天下無敵です。
ところがこの20年ほどのこと。気候の温暖化によって手がかからないはずの五葉松の培養法がやや変わってきました。つまりお勧めしているように、真夏の間の寒冷紗による保護が必要になってきたのです。
寒冷紗のお蔭で五葉松も真柏の小品も上々の作で、葉色抜群です。
入梅明けから9月中旬まで、真柏、黒松、杜松以外の樹種は30~50%の遮光率の寒冷紗で保護してやりましょう。
それでは。
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