2006年9月11日月曜日

水石の台座

先日ある水石の売店で「裸足」ですが、ちょっと気になる加茂川石が目に付きました
業界用語で「裸足」とは台座の付いていない石のことです

これら「裸足の水石」には案外の掘り出し物がよくあるんです
台座が付いていない分、テーマがボヤケテいて観賞価値を見落としやすく、なんとなく安手に見られてしますのですね

水石の道の究極は「見立ての美」
つまり個人の感性により石を何かに「見立て」て、そこに美を発見するのです



売店ではこのように「裸足」で売りに出されていました

かなりの持ち込みの加茂川石で、質も時代感も申し分ありません
あとは「見立て」の腕(ちがった目ですね)にかかっています

形は「岩形」とか「島形」と呼ばれる姿に見立てるのが自然でしょう
ここで注目するのは、向かって右下の空間です

この透けた空間がこの石の見立てのポイントでしょう
そこを強調した角度で名人に頼んで作ってもらった台座に据えた姿はこちら↓



右下の透けた空間がこの石の具体性とスケールを演出
荒波に足元を浸食された絶海の孤島のように見立てられますね

厳しい波浪は岸壁の上さえも侵食し岩石に抜けた空間を作り出しています
じつに厳しい景色



参考に正面やや上方よりの画像も添えておきます

あなたも「裸足」の水石を上手に見立ててみましょう
思わぬ掘り出し物に巡り会うはずです

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