小鉢界において平安東福寺の格付けは、まさに最高峰
それだけに、巷間には真贋にまつわる物騒な話もたくさんあるようです
しかし、愛好家のみんさんが犠牲になって
盆栽界に失望するようなことがあってはなりません
転ばぬ先の杖、ともかく贋物を掴まぬようにするためは
平素からの勉強が大切です
ちょうどホンモノと紛らわしいかっこうの教材(?)に出くわしたので
みなさんにお見せしようと購入しておきました
間口7.5cmの灰釉(はいゆう)の手捻り東福寺、これが真っ赤な贋物
東福寺鉢の中には、泥ものとして作られた鉢を
他の作家が後日に釉薬を施し、改めて焼き直した作品も散見します
そのような鉢を「焼き直しもの」といいますが
この作品はちょっと見でその類に見えるので、初心者はもちろん中級くらいの方も引っ掛かりそう
比較の教材、手捻りの焼締めもの、これは正真正銘のほんものです
鉢裏を見ます、まるで「焼き直し」のように見えます
時代感がないのが「焼き直し」の特徴
使い込みの時代感(不純物)は焼き直しの際に、高温で燃えてしまい、このように出来立てのようになってしまうのです
ほんものの鉢裏と足の様子
足の形や付け方はかなり似ているが、わずかにぎこちなし
東福寺手捻り鉢の特徴である、足の内側の「折込の溝」が不自然です
東福寺の手練が感じられるほんものの足の作り
さらに、水穴の周りに、穴を開けた際のバリが見えます、これもほんものの特徴です
また、足の内側の「折込の溝」も自然な感じですね
東福寺の落款が捺されている位置に注目
この贋物の落款はわずかに内側に捺されています
ほんものの落款の捺されている位置
外側近くに捺されているのが平安東福寺手捻り丸鉢の癖です、これも重要
内側から見たにせものの水穴
内側から見たほんものの水穴
ざっと面取りしています
外側から見たにせものの水穴
外側から見たほんものの水穴
作業が手早く行われた感触が伝わってきます
この手早いという感覚が東福寺鉢の特徴です
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