2006年4月9日日曜日

もみじ稚児葉刈り2

ところで、新芽の先を早めに摘んだとしても

残された1節目は、予定の長さだけはしっかりと伸びてしまいます
だから、稚児葉かりをしても、3節くらい伸びてからハサミで新芽切りしても、1節目の伸びは同じなのです

このことを頭において下さいね

その上で今日の勉強です

稚児葉刈りは、新芽の伸びを抑えるというより、もっと他の効果を期待しているのです

それは

1 特定の強い枝先に集中しがちな樹勢(じゅせい)を、他の弱い新芽にも行きわたらせる
2 早めに葉数を半分にすることにより、採光と通風を良好にしフトコロ芽の保護をする

おわかりですか!

その上で、1節目の伸びを極端に制御する秘技をご紹介しましょう
この技こそ、秘伝中の秘伝ですゾ


芽鱗(がりん)と呼ばれる殻にしっかり守られた冬芽がほぐれ、稚児葉が伸び始めます
その先と片葉を摘み取るのが稚児葉刈り

元に残された芽鱗、これを普通私達はハカマとよんでいますね
このハカマを細いピンセットを使って取り除くんです

じつに根気の要る細かい作業なので
ミニ盆栽の場合は、ピンセットよりも針のようなもっと鋭利な道具を使ったほうがいいと思います


稚児葉の元のハカマ、芽鱗というだけに
ほんとに魚の鱗のようですね

冬芽を寒さや乾燥から防ぐための大切な防具なのです
これを1枚ずつていねいに剥がします


上向きの枝の元にはまだ開かない冬芽がありますね
稚児葉刈りの実行により、早めにほころんだ新芽の勢いが、このように眠ったままの芽に刺激を与えてくれるのです

横向きの芽のハカマはまだ完全には取りきれていません


すべて取り除きました


作業完了の図

稚児葉の片方を取り除かれた新芽
側芽(そくが)と呼ばれる長めのヘタの部分と芽鱗(はかま)

このハカマ取りにより、保護されていた新芽の元の細胞は急激に乾燥し固まります
よって、1節目の伸びがとまるという生理現象がおきるのです

効果は抜群で、この稚児葉刈りとハカマ取りを2年併用して続けると
見違えるような短く細かい枝先になること請け合いです

もちろん、稚児葉刈りだけでも効果あり
ともかく雑木作りの超秘伝の技、試してください

それにしても、根気の要るシンドイ作業!!

では

注)この項の執筆にあたり埼玉萬園・深野歩君より詳細情報をいただきました
アックン、ありがとう
小鉢のことは教えてやるからね

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