東福寺の取っ手の付いた手提げ形の鉢を手に入れました
間口の直径は13cmなのでけっこう大きく、形状からいって草物鉢といえます
いかにも東福寺らしい遊び心にみちた作品
そういえば、同じタイプの作家の青閑にもこれと似た形の「茄子の作品」がありました
まあ、木で似合うとなればやはり長寿梅でしょうね
自然風を尊ぶ形の自由な株立ち状の長寿梅であれば、この取っ手もじゃまになりません
大きな盆栽の添え物としてもいいし、小品棚飾りにも使え
引き立て役として十分過ぎるほどの働きをしてくれるはずです
名鉢のコレクターとして知られた畑中兵衛さんの旧蔵品で、つい最近私のものになったのですが
この東福寺を見たときに「あれ!?」と懐かしいような感覚にとらわれたのです
というのは、私は過去にこの形の鉢を3鉢扱った経験があり
それらの1つは織部、1つは瑠璃釉で、もう1つは小型のものでした
つまり今回の瑠璃釉のものは、過去に私が扱ったものであるような気がしたのですが
私の扱ったものは瑠璃釉がもう少しボケていたような記憶もあるし
いやいや同じものだな!
やっぱり違うかな?
断言するには、10年以上前の記憶はあいまい過ぎておぼろげです
でも、久し振りに手にする東福寺の手提付の変り鉢の感触はイイものですね
なにせ、この形の鉢は盆栽界に数鉢(5鉢以内)確認できるだけの超珍品なのですから
瑠璃釉を大胆に掛け流し辰砂(葡萄色)釉と織部釉を周辺にあしらった東福寺のデザイン力
白釉の生地に瑠璃釉の大胆なあしらいが光っていますね
釉薬の掛け流しのタッチの力などから想像して、脂の乗り切った東福寺全盛期の作品に違いありません
窯変による微妙な色彩の変化
がっしりとした取っ手ですね、しかし全体でみると決してごつく見えないんです
これが東福寺の力量のなせる業です
手提げのツルをはじめとしたボディーの構成力、力強いですね
偶然を装いながらもきっちりと計算され尽くした東福寺の意図が、みごとに成功している色彩の調和と変化
落款は楕円の内部に「東福寺」
世に言うところの「わらじ落款」
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