柴崎青閑の薬師如来像や弁財天尊像を納めた厨子の5点セットが手に入りました
そのうちの1点、薬師如来像をご紹介します
江戸指物師と青閑の合作で希少な宝物です
二度とお目にかかれない類まれな珍品ですよ
青閑の遊び心の世界をゆっくり堪能してください
薬師如来像が安置されている厨子
ていねいに桐箱入りです
朱泥金彩
南無薬師如来像
青閑像
薬師如来像が安置された厨子の正面図
大きさは間口6.8cm×高さ11.5cm
観音開きの戸を開けると中には青閑作・薬師如来像
厨子を詳しく見てみましょう
側面をのぞく角度より、均整の取れたバランスの美を感じます
屋根は一枚板を削り出したもの
やわらかい曲線がみごとです
驚くべき伝統の技
きれいな木目を活かしています
扉とそれを支える下の敷居がはめ込みになっています
これは高等技術
扉の両側の脇板もはめ込み
精巧な細工です
これでやっと薬師如来像を手に取ることができました
このように右手を上げ,手を開いて指を伸ばし掌を見せる形を施無畏印(せむいいん)といい
人々のさまざまな願いをかなえる(ことを誓う)印
左手の形は与願印(よがんいん)といって人々のさまざまな願いをかなえる(ことを誓う)印だそうで
薬壺を持っていますね
薬師如来信仰は飛鳥時代頃の始まり
天武天皇が皇后の病気平癒のため薬師寺建立を発願されたことでも知られていますね
備前焼のような硬いしっかりした土目
薬つぼの部分は磁器で、手が込んでいます
青閑は仏像が大好きだったようで、観音様のスケッチが残されています
それだけに描写も的確ですね
たっぷりと奥行きのある薬師如来像
ゆったりとした表情がじつにいいですね
青閑の共布
彼が丹精を込めた作品であることが伝わってきます
以上ご覧のように、青閑は異常なほどの遊び人(趣味人)です
本業は彫金師であったようですが、その合間に好きなことをするというより
趣味の時間の合間にちょこっと仕事をする、そんな人生だったのではと推測されます
おかげで私たちはそれらの作品を眺めて楽しい思いができるのですから
青閑の奇人変人ぶりに大いに感謝すべきですね
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