この「かぐや姫」の香炉に出会った瞬間、非常に感動しました
それは、柴崎青閑という人間像の奥深くに宿る、幼児のごとき純粋な精神性に接したからです
作品を鑑賞するには、その作品のみを検証するだけでなく
その作家の生き様や人間性の根源にまで踏み込んで理解してこそ、より醍醐味が増すものです
いままでに、青閑の作品やスケッチ、薬師如来の厨子などを鑑賞しながら彼の人物像に迫ってきましたが
この「かぐや姫」も、彼の未知の境地を私たちに知らしめてくれています
ごゆっくり鑑賞してください
柴崎青閑作 香炉「かぐや姫」 間口8×奥行8×高さ10.5cm
スッパと切った竹の上に、両袖を胸元でそっと合わせたた童女
竹取物語のかぐや姫、青閑が精魂込めた作品です
香炉の胴の部分は硬く引き締まった陶器で、竹の質感を表現し
ふたの部分のかぐや姫には、きめ細かい上質の磁器を用いています
竹の質感といいかぐや姫の透明感といい、みごとな表現力ですね
また、全体の造形力、細部にわたる繊細な技も見どころです
幼いかぐや姫のあどけない表情
ここに青閑の純粋な精神性を感じるのは私だけではないでしょう
正面の図です
竹の節々、色彩、質感
うまいですね、青閑は
後姿
底部
見えないところも手を抜いてはいません
竹の節、実物も切るとこのようですね
胴の内側
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