盆栽界にゆかりの深い本郷寿山の兄、本郷昇も、それと知られた木工家として盆栽関係の名作を残しています。材料の優秀さによって、精巧な技巧はさらに完成度に磨きがかかると云われる世界です。その点にも本郷昇の真骨頂が発揮され、ミニ作品ながらほれぼれするほどにその技巧は冴えています。
間口7.4×奥行き5.3×高さ1.3cm
木工家の命は長い年月寝かした材料にあると云われています。このミニ卓もつやのある素晴らしい紫檀で作られています。削られた切り口の刃物の痕跡にも味わいがかんじられます。
裏側から見るとわずかにではありますが、刃物の当たった痕跡があちらこちらに垣間見えます。その痕跡を通じて作者との会話が成り立つような気さえしてきます。この感覚は小品故の親しみ深さかくるとも考えられましょう。
やはり木製品は視覚だけでなく、触覚も交えた感覚を働かせながら鑑賞するもののようです。
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