北海道日高山脈のふもと、沙流川の側の平取町あたりから採取される幸太郎石。北海道を代表する水石といえば神居古譚石、千軒岳石に加えてこの幸太郎石が代表的な産地といえるでしょう。
幸太郎石は赤、黒、青の三色のを基調にしながら、それらの単体であったり、三色の石質が交じり合いながら天然自然の造形美が表現されていたりします。
幸太郎石 間口45×奥行き18.5×高さ7.0㎝
杉井家旧蔵品
左側に穏やかな頂上を頂き、さらに右方向に緩やかな稜線が下りながら、景色の最後に表情豊かな小高い小山が盛り上がって全体の景色を締めています。
険しい山容というより、穏やかに人里を囲う穏やかな風景。
紅葉の晩期を思わせる赤色、硬質の黒、宝石風な青色の三色。
さながら紅葉期の連山の晩期を思わせる色彩感覚です。銘をつけるとしたら、やはりテーマは晩期、紅葉期などがイメージとなるでしょう。
景色の右側の止めとしての小山の稜線。
後姿。
紫檀高級台座ですが、約5ミリほどの僅かな欠けがある。
台座を外して真上から見る。
紫檀高級台座。
台座の内側に前の所有者の覚書のメモ用紙が貼ってあります。
この幸太郎石は千葉県館山市の杉井忠司氏の旧蔵品でした。杉井氏は10数年前にお亡くなりになりましたが、日本の水石界で知らぬ人のいないほど超有名な大収集家です。杉井氏逝去の後の売り立て会の際に手に入れた私の親しい盆友から、最近譲ってもらったものです。現在桐箱製作中です。箱が出来上がったら改めてご披露したいと思います。
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