平安東福寺広東釉外縁丸 間口22.8×奥行き22.8×高さ3.8cm
広東釉(かんとんゆう)と云えば東福寺、東福寺と云えば広東釉と云われるほどに、その魅力は盆栽鉢の世界に知れ渡っています。ところでさる文献によると、初代東福寺が広東釉を用いるようになるのは、彼が山科へ移り住んで後の昭和20年代に入ってからだと云われています。と云うことは、昭和のごく初期から始まった彼の本格的な制作活動の中期以後の作品に広東釉作品が多いということでしょう。
正面からの図。
広東釉の濃淡の輝きと窯変による釉薬の輝きがすばらしい。
鉢底や足の作りに初代東福寺の特徴が顕著に見られます。
濃い緑色と窯変部が醸し出す釉薬の美しい混濁が東福寺広東作品の真骨頂でありましょう。
窯変と長年の持込により、広東釉が美しく銀化(ぎんか)しています。
落款は楕円の中に東福寺とある、いわゆる「草鞋落款」です。
緑というよりもマリンブルーと云った方がいいでしょう。
縁の内側の釉薬が銀化して宝石のような渋い輝きを見せています。
ホツレやニューではなく釉薬の表面が荒れています。
わずか1mmほどの釉薬のホツレですが、チェックしておきましょう。
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