2018年5月23日水曜日

今年の舞姫の挿木は3月14日と15日の二日間だけに限ったので、デター的にはかなり貴重だと考えます。毎年のことですが、今年も管理法を含めて私が気をつけた挿木のポイントをいくつか箇条書きにまとめてみました。ご参考にしてください。

挿し木後二ヶ月経過して終日直射日光に当てると、新芽が著しく伸び始める。

1、春季における挿木の適期は3月の中旬ごろ、芽先が色づくまではいかなくとも、やや血色がよくなってきたころ。

2、挿し穂は充実した若い昨年の枝や幹を用いる。なお、それらは節間(せっかん)の詰まったものがいい。

3、挿し穂を採取して挿し床に挿すまでに、あまり長い時間(一晩とか)水に浸けておいてはいけない。また、病原菌の進入を防ぐためにも清潔な水を用いること。

4、挿し床の用土は、小粒の赤玉土1対鹿沼土1の比率のものが適している。

5、挿し床は、寒冷紗で遮光したビニールハウスの中で、さらに病原菌の進入を防ぐために地上50cm以上の高さの棚に置いて管理する。

6、殺菌剤液(トップジン乳剤)が挿木床の底から流れ出るくらいに、週に1回の割りで消毒する。

7、過湿を招きやすいので、乾燥防止の霧水はやり過ぎないように気をつける。ちなみに、盆栽屋.comでは霧水はほとんどやりません。うっかりすると過湿になるからで、挿し床はやや乾かしぎみに保つのがコツ。

8、挿木後10日間を過ぎたあたりから、ハウスの中でも日当たりのいい明るい場所へ徐々に移動する。その後、挿木後約1ヶ月あたりからは一日数時間ずつ直射日光に当て始める。この1ヶ月時点で挿し穂の軸がきれいで葉も出揃っていれば良好な結果が期待できる。

9、直射日光に当てる時間を徐々に長くし、挿木後2ヶ月(直射日光に当てて1ヶ月)経過するとほとんど発根しているようだ。

挿し木後二ヶ月経過して終日直射日光に当てはじめてから、約一週間経過の状態。まだ葉の色は平凡な緑色で、新芽の芯の部分も色が変わってはいません。日に当って活動が活発になってくれば、新芽がほぐれて柔らかい色彩に変化してきます。つまり新芽が伸び始めるわけです。

10、左の大きな鉢は挿し木後二ヵ月経過後、ようやく日当たりのよい棚上での管理に切り替えたばかりの挿し木床。まだ緑色の葉はあまり伸びてはいません。かたや右の小さな鉢は、それよりも一週間ほど早くから終日直射日光に当てている挿し木鉢です。ごらんのように、こちらのほうは早くから直射日光に当てたせいで、かなり新芽の色もほぐれて、ぐんぐんと伸び始めています。ここまでくれば〆たもの。この後は普通の盆栽と同じく普通の棚上で管理しましょう。

11、以上のように二ヶ月の間に殺菌消毒を10回ほど励行し、過湿に陥らないように留意し、積極的に日当たりのいい場所を求めて培養を続ければ、活着率は75%ぐらいは行くと思います。みなさんにもお薦めしまーす!!

0 件のコメント:

コメントを投稿