2017年4月21日金曜日

椿(胡蝶侘助)

椿の盆栽はあまり一般的な樹種とは言えませんが、地味ながら根強い人気があります
一般的でないのは、逸品と呼べるような本格樹形のものが少ないせいかもしれませんね

ただ、真冬から春にかけて濃い緑色の葉陰でひっそりと咲く風情はたまりません
そのあたりが日本人の好みにあうようです

盆栽人がおもに好むのは単色系の藪椿や小輪系の侘助などで
枝打ちが細かくて樹形が整いやすい品種です

今日はその椿を採りあげてみました
つれづれ草ではおそらく初めてだと思います


椿(胡蝶侘助) 樹高40×左右50㎝  幹の直径約6.0㎝

隣市の愛好家Sさんが山取りした藪椿のボディーに
接ぎ木を繰り返して胡蝶侘助に衣替えしたもの

この椿の見所は、如何にも山取りらしく捻転した根上り状の根っ子から
強く曲がった幹筋の様子です


立ち上がりから根上がり状の幹筋は、1の矢印手前までは山取り部分で
それより上部の1以降の幹や枝は、すべて衣替えで作ったものです

1と2の幹筋付近にもっと強い模様が欲しいのですが
椿では針金で曲がりませんから、芯の付近に強い曲をつけてバランスをとりました

また1あたりに不定芽が出そうなので、切り込みを強行して
幹の芯を建替えるという手もありましたが、ちょっと時間がかかり過ぎるようですから

今回はこの手でいきましょう


後姿


Bの部分は呼接ぎの接合部分
目立たなくなるにはさらにあと数年かかるでしょう

Cの赤矢印は、山取りの際の古い切り傷です
この傷も完全肉巻きは難しい感じですが

ただ、辛抱して培養を続ければ
自然に朽ちた山取り独特の味わいが出てきます

椿盆栽の培養ポイント

1 4月から5月にかけてが植替えや切り込みの適期

2 この椿のように、今頃に葉刈りを敢行して枝を追い込むといい

3 肥料も忘れずに(多肥・多水)

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