2016年9月24日土曜日

初級・中級盆栽集中講座(6):長寿梅の 植え替え

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
  • 時期:秋の彼岸前後(春の植え替えは根にコブのできる病気が発生しやすいから避けること)
  • 適用樹種:ボケ類全般
  • 道具:全て
  • レベル:超初心者から達人まで
  • ここがポイント
    • ボケ類は必ず秋の植え替えとすること(3年に一回)
    • 用土は赤玉土7:砂3の割合
    • 他の樹種の植え替えと違って、根を切るよりも用土の取り替えをするという心構えでやって下さい
    • 使用予定の鉢を数個は用意しておくこと(1個だけだと映らない場合にアウトです)
    • その後の管理 日当たりのよいところへ置く、水を切らさない、風を避ける(日陰に置くと過保護になって何時までも活着が遅れます、せめて半日陰です)
教材:長寿梅の小品(木の植え付け方と鉢の選定を心掛ける)


いきなり作業終了、完成の図
鉢は楕円の鋲うち太鼓胴(びょううちたいこどう)
鉢を思い切り小さくし、植付けも懸崖風にしてみました
根上がり状なので、そこも強調しました
この先2年の丹精で樹格が見違えるように向上するでしょう
楽しみな木です
樹高8cm(根元より) 左右13cm 超ミニです


作業前の図
植付けも鉢も気に食わないんです
根上がり状に立ち上がってからが、いけません
鉢と幹が水平になっていて面白みがないでしょ
なんとか木姿に動きを出して、変化と調和をねらいたいんです
とにかく鉢から抜いて、根をさばいてみよう


きれいな根です
根に病気はないので一安心
ボケ類には癌腫病といって、木の根元や根に癌状のコブができることがあります
見つけたら切り取ります


とりあえず植え付け方の構想を練りましょう
新しい図を模索するのは楽しいものです
このように立ち上げてみるのは?
根上がりなので不安定ですね


このように懸崖風にしたら?
んーとッ、けっこういけそうです
見方によっては欠点ともいえる根上がりも、長所として見られます
よし、決めた!


さっそく懸崖用の鉢に入れてみます
世の中けっこう困難はつき物ですね
下垂した幹が鉢の縁にぶつかって、うまくいきませーん!
こりゃまいった!
第一の挫折です
こんなときのために幾つかの鉢を用意しましょう


仕方ないので、第二候補の楕円の太鼓胴の鉢に入れてみます
おお、けっこう映るじゃんか!
木の相も大きく見える
やっぱり実物を試すのが一番です
よっしゃ、これでいこう!


鉢の準備
段取りだけは丁寧にしないと後で後悔しますよ
いいですか


ゴロ土を入れ、用土を少し入れてから,竹箸でよくつつきます
次に針金で根をしっかりと固定します
ここもポイントですね
グラグラしていると根付きが悪く、いつまでも元気が出ません
初心者の方が犯す、代表的な失敗の一つです



新しい植付けに準じて,全体の姿をハサミで整えます
当然切る枝もでてきます
そうすれば仕上げの一歩手前です
この常態に水苔を張ります
見栄えももちろんですが、根が露出しています、それを保護します
これで作業終了です
前に戻って完成の図へ行ってください、いかがですか?
以上です
簡単でしょ?
いいですか、ボケ類の植え替え適期は秋の彼岸前後ですよ、忘れないように!

ちなみに、この長寿梅は盆栽市場に売りに出されていたものです
鉢代等で¥5,000高くなってしまいましたが
それに充分見合って樹格が向上したことは、言うまでもありません

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