2015年11月23日月曜日

作る(織姫もみじ逸品素材)



織姫もみじは、あの舞姫もみじと同じ親木から生まれた兄弟種の小葉性もみじで
切れ込みが7つの葉が多く交るのが舞姫との目立った相違点です

その織姫の逸品素材に昨年からチャレンジしているので、途中経過をご報告しておきます
素材は立ち上がりの幹径が6.5cm以上あって、織姫としては極太の部類に入るでしょう

数年前に、この織姫は私の親しい同業者の持ち物だったんですが
タッチの差で買い損なってしまったんです

その後、某愛好家さんの持ちものとなり、大幅な切り込みや利き枝の呼び接ぎなど
骨格の組み立てがなされていたのですが、この度ひょんなことから買い取りのチャンスに巡り会えたものです

ご覧のように、根張りのよさと幹筋の模様など大きな将来性に恵まれた優良品なので
気合いを入れて取り組みたいと張り切っている次第です


今年一年の培養により骨組の作りがかなり進行しました
葉を落としてみると矢印で示した4~5点が主な課題点です


力強く大地を掴む根張りは八方に張っています
根張りからやや上がった地点での幹径が6.5cmとすごい太さです

左の一の枝に力があり、この織姫の骨格を作る上でのポイントの枝
その上の幹模様の外側には、右の利き枝(矢印1)が呼び接ぎされており、これも大切な枝となります

それでは問題点を5つにわけて順に解説いたします

1 利き枝になる重要な場所です
  慌てて一本にしないで、しばらくは2本のままで様子を見ます
2 背中にある大きな不要枝、来年度はこの枝の切り外しが大きな課題になります
3 前枝ですが、将来も必要かどうか今の段階では判断が難しいので
  しばらくはこのまま行きます
4 枝を外した痕がややコブ状に残っているので削り込みました
  来年の夏ごろには治癒します
5 この付近が樹冠部になる予定です


側面より(画面左が正面)

大きな課題は、背面にある太い枝
木の肥大を図るためにわざと徒長させたいわゆる「捨て枝」です

十分に役目を終えた、この枝を切ることが今年の最大目標になります
時期は入梅前の葉刈りの時期と思っています

一番の活動期に切れば肉巻きも活発に行われますね
完全肉巻きまでに2年を目標にしています(織姫・舞姫は肉巻き良好)


背面の不要枝をティシュで隠して見る


正面より

来年の春に切り外し予定の後ろ枝をティッシュで隠して見る
今年一年の培養により本格模様木の骨組がしっかりとでき上がってきました


足元の拡大図

次のご報告は入梅前後になると思いますす
お楽しみにお待ちください

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