一度は完成に近い姿までいったものだと思われる楓の石付
親しい同業者が植え替えたばかりのものを、昨年(2014年)の春ごろ入手したものです
当初から枝先は細かくほぐれていましたが、骨格の秩序がかなり乱れおり枝数も多すぎるので
とにかく整理して再出発のスタート地点まで戻る必要がありました
2014年春の姿
ところが、主幹の骨格作りで迷いが生じたために
当初簡単だと思われた剪定作業が思い通りに進まず、なかなか闘志が燃えてこないんです
そのため、あまり無理をせずに静かに機の熟するのを待つことにしました
2014年春の足元の拡大図
画像でみるとますますややこしくなりますが
かなり不要の枝が混じっているけれど、主幹の骨格が決まらないことにはその先へ進みません
2014年春の足元の拡大図
こんな時は無理をしてはいけないのが盆栽人のセオリーです
いい構想が浮かび気力が充実してくるまで、ひたすら「待つ」のも案外効果のある高等戦術なんですよ
ただし芽摘みと葉刈りなど日々の培養管理だけは神経を使ってやらねばいけませんね
いざ構想が固まって改作にかかるときに元気が悪くては勝負になりませんね
2015秋撮影
新しい装いの日は突然にやってくるものです
あれから2年の歳月が過ぎて、数日前、秋の葉落としを行いながらこれまでの培養の成果を確かめている時
突然稲妻のような(大袈裟かな)閃きと気力の充実を覚えて、一気に新しい骨格へとたどり着いてしまいました
2年の歳月を辛抱強く耐えたおかげで
新しい気持ちで再出発する日が来たということですね
2015秋撮影
1 主幹を中心にした主要部
2 全体の激しい動の役目を担う一の枝
3 右の一の枝とのバランスをとりながら反対方向への静かな動きを演出する子幹の群
以上3つの要素から構成された楓の石付です
剪定前の昨年度の写真と見比べてください
剪定により骨格の構図がよく見えるようになったので
この後は枝先のほぐれを促進する段階から再出発することになりました
2015秋撮影
混雑した枝もかなり整理され
主幹にも表情が出てきましたね
2015秋撮影
ちなみに、盆栽スクールの常連クロちゃんは
ちょっと長く感じられる一の枝を赤線から切る派です(笑)
私は様子見派です
みなさんはどちら派?
2015秋撮影
はね出しの部分はあまり形にこだわらずに
主に枝先のほぐれで味を出すことを心がけるつもりです
2015秋撮影
主幹、一の枝、はね出しの3つのポイントを大切にして培養するつもりです
来春には深さ半分くらいの浅鉢に入れ替えたいと考えています
2015秋撮影
後ろ姿
ちなみに、これからの紅葉時期は落葉樹の剪定期に向いています
ただし、冬期には寒さ対策をしっかりやることを忘れないように
それでは
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