2014年9月23日火曜日

初級・中級盆栽集中講座(4):黒松芽摘み

超初級から中級くらいまでを中心に(たまには上級編もまじえて)盆栽の手入れに関するご指導する初級・中級盆栽集中講座シリーズです。
  • 時期:6月中旬から7月中旬頃まで適用樹種 黒松・赤松
  • 目的:短期間に小枝をふやす・徒長させない・冬の鑑賞期に短い葉に揃えて観賞価値を高める
  • 道具:剪定小鋏・ピンセット
  • レベル:超初級から達人まで絶対必要な盆栽技術(短葉法なくして黒松・赤松盆栽なし!)
  • ここがポイント
    • 内側のふところ芽は力をつけるために葉を多めに残してもよい
    • 作業後日陰で管理してはいけません、普段どうりの日当たりの良い棚に置きます
    • 事前に肥料を多めに与え、樹勢をつけておく

作業開始前の姿
春に伸びたろうそく芽は既に葉が開いている
元気はいい
まずは勢いよく伸びた今年の新芽をあらかた切り取る


切り取った新芽


場所によっては去年の芽の部分から切る
理由は枝をより短く作りたいときに、そうするのです
三叉の下は去年の枝です

ざっと切り取った後の姿
さて、これからが肝心!
これで終わってはなんにもならない
でも黒松の芽切は、新芽を摘みさえすれば完了と思っている人も、けっこういますね


新芽を切り取った先っぽの拡大図
原則として去
今年の新芽を切り取ったままでは、このように何本も葉がついた状態です
このままだと、新しく芽が出てもその芽が多すぎたり、不均衡に芽吹きしたり
それにふところの奥の芽に日があたりません


ですから、このように3~5対の数に減らします
その際、適当に散らした場所の葉を残すことが肝心です
葉のあるところから芽が吹きます
こうすればある程度欲しい所に芽を出させることができるんです




さて、この枝はもう少し伸ばしたいと思うものは
新芽を元から切らずに、途中から切ります
その先も同じく葉数を減らしておきます


根気よく一芽ずつ、芽先を処理していきます
小品の場合は、ピンセットで引き抜くのではなく
小さいハサミで一葉ずつ、葉の元を5ミリくらい残して、切り取るほうが安全でしょう
この写真は途中経過


たいぶ仕上がりに近くなりました
根気がいります
ちょきちょき


全体も見渡して、葉数のバランスもいいでしょう
初めの写真と見比べて下さい
まるで夏向き
丸裸
でもこの作業をしなければ、黒松や赤松の盆栽作りは、不可能です
一ヶ月もしないうちに新しい芽が、ちくちくと吹いてきます
その芽が秋になるまでに、葉になるんです
そうすれば短くしまった葉で冬の鑑賞期ちょうどいい感じ
枝は伸びないし、枝分かれもできるし、枝先の弱いところを助けてもやれるんです
これを黒松の短葉法といいます
勇気をもって、実行!
丸坊主!

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