2011年2月10日木曜日

寒明けの冬囲い

この冬は、日本海側を中心にして20年ぶりの大雪だそうで
関東でも例年にないほどの厳しい寒さが続いています

節分の寒が明けたあたりにいくらか寒さがゆるんだので
やっと寒さから解放されたかなと思いきや、今日あたりからまたまた寒さがぶり返してきましたね

ともかく気候だけは人間の力ではどうにもなりませんが
せめてできるだけの工夫をして、盆栽たちを春までしっかり管理していきましょう

そこで今日は
寒が明けた今ごろから春がやって来るまでの冬囲いについて、特に注意する要点を勉強してください

下のブルーシートで覆われた片屋根が私の冬ムロで
毎年12月の中旬から下旬ごろにかけて組み立てます


この片屋根式のムロのミソは全面を覆っているブルーシートです

さて、ブルーシートの役目はというと、寒さ除けだけではなく
主に日除けのためにとりつけているのです

というのは、閉めっぱなしであっても、12月から1月いっぱいくらいの寒い日には
雑木専用のムロであれば、晴れた日でも日射しが弱いために内部の温度が上がりません

しかし、節分を過ぎた今ごろの季節になると、けっこう日射しが強くなってきているので
閉めっぱなしではムロ内の温度がかなり高くなってしまいます

すると、ムロの中で静かに冬眠している盆栽たちを
せっかくの眠りから「叩き起こして」しまうことになるのです

それではなくとも、もみじや楓などはとくに目覚めが早いでからね

本格的な春の訪れの前に
ムロの中でモヤシみたいな新芽が伸びてしまったら困りますね

ですから、このブルーシートが大切な役目をしてくれるんです
ご理解いただけましたか?

ちなみに、両袖の板は脇からのすきま風を除けるために効果があります
案外にいい役目をしてくれるんですよ


ブルーシートの内側にはプチプチのビニールが扉の役目をしています

ですから、ビニールの扉の上からブルーシートを覆っておくと
これからの日中には内部の温度がかなり上昇していまいます

あまりに日射しが強くムロ内の温度が上がる場合は
ブルーシートもメクッテ、このように直接外気に触れさせます

外気温はせいぜい7~8度ですから
いくら日当たりといえど、盆栽たちを「叩き起こす」ことはありません

要は、夜間と日中の温度差をなるべく小さく保つことです
盆栽だって激しい温度差は応えるんですよ

ともかく、冬囲いで一番大切なことは、パルタ教育です


朝ムロを明けてみると、扉が一重でも二重であっても、このように土の表面は薄氷に覆われています
みなさん、冬囲いの条件はこのくらいがちょうどいいんですよ

それとご覧の通り、水がたっぷりやってあるのがわかりますね
ムロ内の事故は、凍るのを怖がっての水切れや乾燥がほとんどの原因です

凍るのを怖がっちゃいけません、どんどん水をやりましょう
乾いた盆栽は「飢えと寒さ」の両方で苦しむことになっちゃいますね

昨年の秋口や寒中に無理をして植替えしたものは、もちろん凍らないほうがいいのですが
昨年の春に植替えてある程度鉢内に根の廻っている盆栽は、このくらいの環境のほうがしっかり熟睡して間延びを防げるんです

凍らせたくない鉢は、ムロの奥のやや暖かい場所か
もしくは、鉢と表面を乾いた布で保護するなどの一工夫をしてやります


拡大してみましょう
凍っているのがわかりますね

愛情を持ちながらも
このように厳しいスパルタ教育の精神を忘れてはなりませんぞ

では、くれぐれも日中の温度の上昇と乾燥に気をつけて
春までがんばりましょう

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