昨年の今ごろに取り木台木から外した山もみじを、入梅ごろに入手したもので
1年間は、軽く芽摘みや葉刈りを行うくらいで、特に芯の部分は徒長させっぱなしで培養管理しました
やはり、親木から外してしばらくは、枝葉の勢いを見ながら
培養方法を適宜に調整する必要があります
さて、これからが本格的盆栽へと歩み始めるのですが
樹形作りの基本となるボディーと根さばきを中心に大切なポイントをお話しします
ここで、ポイント
盆栽作りの基礎は、ボディーと根!
ただし、ここでいう根作りとは、必ずしも根張りだけとは限りませんよ
四方八方によく発達した健康な根っこ全体を意味します
ボディーの力はバッチリだし、傷っけはないし、微妙な模様もあって楽しみな素材です
左に子幹があるので、今の段階ですはおそらく双幹体になると思いますが、最終的には根張りの状態により樹形を決めます
樹勢からいうと、今年どうしても植替えしなければならない、ということはないけれど
盆栽としての出発点にあたっては、根の健康状態や根張りのなどを検証するために、植替えをします
まず根の健康状態ですが、ご覧のように健康そのもの
土の色も鮮やかな茶褐色だし、根もよく発達していて、切り口もみずみずしい
これならバッチリです
根も枝と同じで、植替え時にしっかり先端を切り込むことによって
強く徒長せずに細かく分岐してこのように密になります
次にはみなさんの関心が高い根張りを確認してみます
わかりやすく簡単なイラストで説明しましょう
好ましくない根張りのポイントです
1 同じ箇所から何本も発芽して混みすぎている場合は
適度な間隔に間引きます
2 上下に重なった根は同じ高さに揃えましょう
3 強すぎる根は除去するか短めに切り込み
弱すぎる根は植え込みの後に、水苔などで乾かぬよう保護しましょう
4 方向が悪く他の枝と交叉する場合は、切るか方向を変えてやりましょう
5 幹の根元の廻り根は放置せずに除去します
さて、実際に検証してみると、ありました、ありましたよ、上にあげた5つの悪い根の実例が!
まず下の矢印で示した太い根です
周囲の根よりも強すぎるし、走っている方向も悪い
ただ、発根している位置は根の欲しいところですから
短く切りつめて細い根の分岐を目指します
さらに、その上の赤点で示した3本の根が、矢印の箇所で交叉しています
ただ、正面の見つけの箇所なので、どうしてもここにも根張りがほしいところ
ですから、切らずに根の方向を矯正することにしました
その説明は、次の続編で
根の元を0.5㎝ほど残して短く切りつめました
若い根なので切り口付近から新しい根が分岐するでしょう(切り口にカットパスターを塗布)
1年前に親木から外したときの処理は万全で、順調に肉巻き進行中です
腐り込みを防ぐために再びカットパスターを塗布
いよいよ樹形です
つまり単幹の模様木か、双幹かの決定ですが
根をほぐす前には子幹と見えていたので、てっきり双幹と思っていたんですが
矢印で示した根張りと幹(枝)との間に1.0㎝ほどの距離がありました
ですから、ご覧のように予定を変更して単幹の模様木と決めました
つまり、子幹は枝として活用することになります
つづく
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