手にとって眺めるたびに気になっている赤松がある
ご覧のミニである
かなり古く持ち込まれており、力のある足元から立ち上がった幹筋も面白いし愛嬌タップリ
左右の利き枝もしっかりしているので、出会ったときには自信を持って求めたんです
しかしいつまでたってもちっともお呼びがないので、おかしいな、目が狂ったのかな!? 、とやや自信喪失気味のこのごろでした
(盆栽屋は自信満々に見えても、じつは案外に小心で世論に一喜一憂の毎日)
今朝5時半に目覚めて棚場をひと回り、やっぱり目につくこの赤松
手にとって眺める、何がいけないのだ・・・?
30分ほど眺めているうちに、アット気がついた、そうだ、そうだ!!
一の枝と二の枝(左右の赤点)が天秤枝に見えちゃうんだ
この2本の利き枝は幹の下部(一の枝)と上部(二の枝)から出ているんで
持ち主は勝手に一人合点してるだけで、みなさんには立派な天秤枝に見えちゃうんだな
そっか、論より証拠なんだ
理屈よりも実際の姿で示さなきゃ、説得力がないよなー!
善は急げ、それで、左右の利き枝の高さに段差をつけるには
青点の空間を広げて芯(上の赤点)を起すことにする
狭い空間を広げて芯を起すのにはかなりの力がいる、古木なのでかなり硬い、ひとりじゃだめだ
しかたない、寝ぼけて機嫌の悪いカミサンをたたき起こして助手を命じる
芯の下のわずかな空間に指を入れて持ち上げているあいだに、カミサンが裏から竹棒(1.5cm幅)の先を突っ込む
うーん、これで一の枝と二の枝に段差がついて、はっきりと弾みが出たな
芯を起した様子を側面より
竹棒と同じ太さの木の枝を突っ込む
どうですか? 冒頭の画像と見比べてください
芯が起きた分だけニの枝の位置が高くなり
一の枝との兼ね合いがよくなりましたね
やや下方から見ると、もっとはっきりと見えます
もう天秤枝には見えませんね
もっと拡大して見ましょう
左右の一と二の枝の高さに明らかな段差が出来上がりました
青点が芯を起すための支えの木の枝です
上の赤点が芯
樹高はやや高くなりましたが、それでも樹高8.5cmと悠々のミニサイズです
完全に幹に癖がつくまでには数年かかりますが
来春あたりにはもう少し太い木の枝を差し込めば完全ですね
ということで、早朝一番のわずかな労力の改作でしたが
収穫はかなり大きいものでした
「論より証拠」
まさに「小さな労力大きな収穫」、わずか30分間の赤松プチ改作でした
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