さてここで、傷口の処理作業を始める前に
盆栽用語の解説を一言
盆栽人は木を人間に例えた用語をよく使いますね
「この木は困っている」とか「疲れている」とかいうのは、まさに盆栽が弱っている状態をさします
前日私が使った「苦しむ」ということばも、文字通り盆栽が苦しむことを示しますが
用例としては意外に積極的な意味合いのときに使われます
つまり今度の取り木の場合、親木から早くに切り離されて一時は苦労するだろうが
自立するためには根をどんどん伸ばして必死にがんばるので、結果はかえっていい方向にいくでしょう
というように、植物の生命力を喚起する方法として
わざと苦しいめにあわせる、そんなときに使われることがおおいのです
さしずめ「かわいい子には旅をさせろ」でしょうね
はやく独立して一人前になってもらいたいという親心です
では、作業を続けます
取り木の方法は環状剥皮でなく、二重に針金を巻きつけた結束法
幹の上部をたどっていくと、一巻めの針金が現れました、もちろん取り外す
その下から二巻めの針金も姿を現しました、これももちろん除去
残った幹は針金で結束した箇所よりも深い位置までえぐり込みます
ぎりぎりの深さまでえぐり込みました
カットパスターで保護、カルスが盛り上がって治癒するのが理想
この切り口の色つやからして、必ず完治するでしょう
植え込む前の姿
鉢底にゴロを多めに入れて、水はけよく植え込みます
一日数回の霧水を励行、しばらくは風に当てないように管理します
むりやり早めに親から独立させられた子供は、当分は苦労しそうですが
旺盛な生命力を発揮して成長してもらいたい(取り木ではよくあることです)
後ろ姿
それでは
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