むかしむかし、40年以上も前のこと
とうじまだ木肌の荒れた長寿梅の古木が少なかったころ
やっとこ手に入れた人差し指くらいの5幹の株立ち中品を可愛がっていました
値段もはっきり覚えていますよ、5万円! 当時としては大枚をはたいたんです
今でも長寿梅というと、あの初めて持った株立ちを思い出すんです
やはりいつまでも忘れられない盆栽ってあるんですよ
主幹が太くやや右流れで、木肌がイボイボに荒れ、小枝もよくほぐれた優れもので
若いアンチャンの持ち物としては異例の渋いものでしたね
さて、あれから40年、盆栽樹種にもその時々による人気の浮沈があり
もてはやされた樹種でも消えてしまったものも多い中で、長寿梅の人気は地味ながら不動の地位はかわりません
そして、その間に技術が飛躍的に発達したせいで
むかしは株立ちオンリーであったのが、単幹や石付など、多彩な樹形が見られるようになりました
株立ち小品
むかしながらの株立ち状の長寿梅
樹形もさることながら、自然風な趣を意識した樹形で席飾りの添えとして最適
石付小品
石と一体になった構図のおもしろさと自然の風情に重点を置いた構図
株立ちを同じく席飾りの添えとして最適です
根上がり小品
長寿梅特有の根の模様の変化を活かした樹形
飄々とした風情もあり、席飾りの一員として活躍が期待できます
単幹小品
近年人気の単幹本格模様木
40年もむかしには見られなかった樹形で、培養技術の飛躍的な発達を強く感じます
単幹小品
培養技術や知識が発達し、これほどに枝を密に作りこむことも可能になったのです
のんびりとした時が流れているように見える盆栽界も、振り返ってみるとその技術の進歩は目覚ましいものがあるんです
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