2007年3月8日木曜日

日本かまつか

実物盆栽には本格的な模様木に作りにくい樹種がたくさんあります
枝の性質が伸びやすく、また伸びた小枝の先に花芽がつくからです

人気の日本かまつかなどもその部類に入るでしょうね
見かけるほとんどの盆栽は、株立ちか文人風が多く、本格模様木の小品にはめったにお目にかかれません

その日本かまつかの太幹の本格模様木が手に入りました
熱心なベテラン愛好家が長年丹精したもので、親しい同業者が紹介してくれたものです

日本かまつかには稀なことに、ボディーのシッカリ感と枝順がよく
丹念に作り込まれた枝先の味わいもみごとです

見ごろは、春4月ごろのコデマリ状の白い花とそれに続く小さい真っ赤な実成りです
おまけに、この小品のように枝先が繊細に作られていれば、冬の姿もなかなかのものがあります

日本かまつかの樹形としては、かなりのレベルで端正に仕上がっていると自負しています
つれづれ草で紹介し長く記憶に留めたいと思い取り上げました


ベテラン愛好家より放出されたかまつかの名木
逞しいボディーの持ち味を活かしきったセンスと技術が光ります

幹筋の流れや枝順、さらに枝先へと細心の神経が行き届き
重量感と繊細さがみごとに調和しています


逞しい立ち上がりの拡大図


一の枝のほぐれを拡大して見ます
古びた枝先の味わいは、寒樹の見どころです

このようにシマッタ枝先を作るには
整形の技術だけでなく高度な培養技術が必要となります


後ろ姿
幹に傷っけなし

在来の品種を「日本かまつか」と呼び西洋種と区別しています
西洋種は細幹の株立ち状に作ると風情のあるものです

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