2020年1月8日水曜日

鉢の修繕

盆栽鉢のニューやホツレなどの欠損の修繕(直し)には、金継ぎ(きんつぎ)や共直し(ともなおし)、さらに、鎹(かすがい)留めなどが挙げられます。


この朱泥袋式は金の鎹(かすがい)留めによる修繕(なおし)素材は必ずしも金でなくともかまいません。


金属の鎹(かすがい)でニューの傷を数箇所止めるこの方法は、丈夫で実用性のある陶磁器には非常に有効です。また、修繕の痕跡が隠されていないので、悪用される心配もありません。


この紫泥長方鉢にはニューの箇所への共直しの痕跡が見つかりました。持ち主さんは購入するときには気がついてはいなかったようです。


赤矢印で示した箇所が、その前後の質感とやや異なり、テラテラと光っているように見えますね。


拡大して見ると一目瞭然です。この部分にニューがあったのでしょう。共直しを施して目立たないようにしてあります。もちろんこれくらいの仕上がりであればプロの仕事ですから、アマチュアの愛好家さんでは見破れないことが多いと思います。


角度を変えて見ましょう。わかるかな?指の表面でやわらかく撫でてみると直しの箇所はツルツルとした質感であり、慣れてくと見破れるようになります。視覚に触覚もプラスして見破れるようにトレーニングしましょう。

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