樹種別の植替えの適期については、ほとんどが春の彼岸ごろ
つまり、冬芽が色づいてほころび始めるころとされています
したがって、春の芽出しの早いもみじなどの3月の中旬あたりから
やや遅めの松柏類などの4月初旬くらいまでが、ほとんどの樹種の植替えシーズンといえるでしょう
ところが、松柏類の中でも杜松や杉、さらに雑木類(実物花物を含む)の中のちりめん桂やきんず、くちなしなどは
暖かい気候を好む性質から、4月下旬ごろから5月いっぱいくらいが適期とされています
しかし、その時期にはやわらかい新芽の吹いた若葉の季節になっているわけで
彼岸前後の植替えとは方法がやや異なり、少々の工夫が必要になってきます
春の新芽が勢いよく伸び、一日の平均気温もやっと20℃近くになり
ようやく杜松の植替え適期が来ました
さて、植替えのコツですが、新芽をこのままにしていきjなり根をさばくと
柔らかい新芽に水が揚がらなくなり、場合によってはくったりしてしまいます
それを避けるためには
まず全体の新芽摘みを行います
新芽をすべて摘み取った状態です
しかし、このまますぐに植替え作業にはかかりません
2週間くらいすると、摘まれた新芽の近辺や今まで動かずにいた芽先などが動き出してきますから
それらを見極めてから、おもむろに本格的な植替えにかかるのです
この方法が杜松の植替えのコツで(古木の場合は特に)
つまり、芽摘みと根さばきに時間差をつけて別々に作業することです
何故このように二重の手間をかけるのでしょう?
杜松は温暖な気候を好むため、冬芽が動き始める4月上旬ではまだ気温も低く
植替え後の樹勢回復までに時間がかかってしまいます
それで、一日の平均気温が20℃近くなる今頃まで待つわけですが
新芽はすでに伸びてしまっていますね
ですから、新芽をすっかり摘み込んでしまい
葉を新芽がそろそろ動き出すちょっと前の状態に戻してやるのです
摘まれた新芽は2週間もすると再び動き出します
そのころが植替えの適期となるわけですね
一日の平均気温が15℃を超え20℃に近くなったこれからの気候であれば
根さばきからの回復も早く、順調な生育をみせてくれます(関東地方標準)
さて、芽摘みが完了して植替えを待つ杜松の半懸崖ですが
以前よりの懸案であった植え付け角度の変更を敢行し、差し枝の利いた模様木として再出発したいと考えています
その節は新しい姿をまたみなさんにご紹介いたします
付記
以上のように事前に芽摘みや葉刈りを行い、その数週間後に再び芽が動き出すころを見計らって植替える方法は
ちりめん桂、くちなし、きんずなどの樹種においても実行していただきたい
では
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