以前、「元気で積極的な中高年」とご紹介した、わが盆栽フリースクールの最古参で最年長のツカさん
盆栽だけでなく、語学学校に通うなど、初々しい向学心に燃えた少年のようなその生き方には溌剌としたものがあります
相棒のターさんとのやりとりがおもしろく、まるで息のあった漫才のよう
真面目なうえにユーモアのセンスだってなかなかです
ツカさん自慢の山もみじが話題になると、「このもみじも、いずれは年下のおれのもんさ」などと年下のターさんが仕掛ける
「なーに、人生なにがあるかわからんよ、番狂わせは相撲だけじゃないぜ」、と笑いながら切り返す
さて、そんなツカさんが昨年から手がけている中品の山もみじ
今年の厳しい残暑にもめげずに作柄は上々で、葉を焼かなかったので11月になっても青々としていました
春に植替え、骨格を見直して不要枝を外し
いよいよ来年はさらなる樹格の向上にむけて踏み出す段階です
ゆったりとしたやや斜幹ぎみの模様木
右に差した一の枝に流麗な動きが感じられる雑木らしい木姿
安定した根張りと立ち上がりに自然味がある
培養を重ねて盤状に発達する予感に期待がふくらみます
また、すでに木肌にはもみじ特有の縦縞が現われていて古色感は抜群
この美しい木肌が、このもみじの品格をさらに高めていることはいうまでもないことです
中間の幹筋拡大図
やや枝数の多かった中間には枝を切除した痕跡があります
適切な培養管理により1~2年で治癒する程度ですから
心配することはありません
いくつかの課題が残されている頭頂部
↓で詳しく説明いたします
1は表情豊かな利き枝です
これ以上太らないように気をつけながら大切にします
2も必要な枝ですが、やはり抑制しながら育てたい
3はやや斜め前に向かった枝で、やはり必要な枝ですが
なるべくコンパクトに抑制しながら育てます
4は近い将来には外すことになるでしょう
ただ、あまり性急な追い込みをすると、かえってその部分に熱をもってゴツクなることが多いので慎重にしましょう
5も定石通りに二叉に剪定することを繰り返し
枝先のほぐれを促すように
6の小枝を含む樹冠部は、実物を見ていた段階ではあまり気にならなかったのですが
こうやって画像で見ると、模様が大まかでギコチないし、4との間に空間が空き過ぎる感じです
これでは、針金の矯正か切り戻しにより
↓の図のように、芯近辺の幹筋の流れを矯正することも視野に入れたほうがいいようです
白線のような感じで幹筋を通せばやわらかさも出るし
幹の傾きと利き枝との構図的なバランスもよくなります
さてさて、このように素直さが見どころの模様木は案外に難しいですね
ツカさん、実物を見てもう一度検討してみましょう
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