2012年9月5日水曜日

篠竹の盆栽

夏になると草物盆栽が目を惹くようになります
笹や竹や、それに水辺に自生する葦や石菖なども涼しげですね

さて、春あたりから棚のすみにあったこの篠竹も、ズーッと気になっていて
目に入るたびに手入れをしてやろうと思うのですが、ついつい延び延びになっていました

そう言うと、みなさんのなかには、「草物盆栽って、手入れすんの?」と思う方も多いでしょうから
手入れによってどのくらい鑑賞価値が高まるか、実際にご覧に入れてみましょう


高さは15㎝ほどありますが、鉢の間口はわずかに4.0㎝のミニサイズ
おそらくこの小さな鉢に入って5年以上は経っていると思います

ところでみなさんは、これ以上どこへ手をいれるのかな、と思うでしょうね
ここでまず、草物盆栽の手入れの基本は、「掃除」であることをしっかり肝に銘じて下さい


第一番目にやることは、枯れた篠をもとから切り取ります
全体で眺めていると気がつきませんが、この枯れた篠が案外にたくさんありますよ


篠竹の皮は棹(かん)が成長しても自然には落ちませんから
この皮を丁寧に剥いて取り除くのが主な仕事です

棹(かん)は粘りがあって丈夫ですが
折らないように気をつけます

小さなピンセットや薄刃のカッターなども使いましょう
しかし、何と言っても人間の指先にまさる道具はありませんね


こんな感じです
伸びかけた竹の子が棹(かん)になりかけているのが目立つようになりました

もう一息!!


これくらいきれいになるまで徹底してやり抜きましょう


「掃除」を主な仕事として、手入れが完了しました
枯れた皮がすっかり取り除かれたので、むさ苦しさがなくなってすっきり

持ち込みにより地表に露出した地下茎のからみもおもしろく
納涼の風が感じられるようになりました


盆栽の下草としての役割が一般的ですが、このように舟形石や滝石などとの取り合わせも一興があります
葦や紅ちがやなども裾の枯れ葉をこの要領で掃除してやれば、鑑賞価値は抜群にあがりますね


ちなみに、笹と竹の区別は、棹(かん)が成長したあとまで皮がついているのが笹で
竹は棹(かん)が伸びきると自然に剥落します

よって、野山に自生する篠竹(しのだけ)は
小さい竹とはいえ笹の一種です

ではよろしく

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