長く厳しかった残暑も九州を襲った大型台風の通過前後から
やっとやわらぎをみせ、過ごしやすい気候になってきましたね
さて今日は、杜松の今年最後の「納め」の芽摘みについて勉強しましょう
盆栽のジャンルとして、杜松は黒松や赤松、五葉松などと同じく松柏類に入りますが
本来はヒノキの仲間に入るために性質は違っていて、培養的にもやや異なります
暖地に自生するため、整枝剪定などは真冬を避けた方が無難であり
植替えの時期も、春先よりも4月中旬から5月にかけて行ないます
培養的に念頭に入れておくことの主なことは、杜松の根は黒松や五葉松に比べてやや細根なので
根元の根の塊に水が通らないことがあって、衰弱の原因になることが多いことがあります
ですから、植替えの間隔があいている場合は、根元の芯の部分が乾きすぎないように気をつけて
たまには鉢全体を水につけて、たっぷり水がいきわたるようにするのも一つの方法です
それでは
8月15日撮影
8月22日に古葉掃除と芽摘みを行なった杜松
日光と高温を好む杜松にとっては、今年の猛暑はかえって追い風になって、培養は順調です
8月22日 8月24日
わずか20日ほどで順調に芽が吹いて、次の芽摘みの時期がきています
杜松の秋の芽摘み納めは、だいたい9月中旬から彼岸ごろにかけて行ないます(関東地方)
この時期に最後の芽摘みをすると、次の芽が吹いてちょうどいい長さで止まってくれます
作業途中経過
まだ各枝の隅々には摘み残しの芽が残っていますね
また、差し枝の先端は、勢いをつけるためにワザと伸ばしっぱなしにしておき、芽摘みをしません
特に勢いのいい樹冠部は丹念に摘み込みます
まだまだ摘み残しがあるようです
差し枝の先端を残して、芽摘み作業完了
作業完了の樹冠部
摘み込みを控えた差し枝の先端
作業完了後の後ろ姿
★ さて、これより付録の隠し技
なんだこりゃ!
さて、これは
1 部分的に勢いがよすぎるので、その部分の勢いを抑制し
その部分の勢いを他の枝に行き渡るようにしたい
2 晩秋から冬の展示会に出品予定なので
枝棚を薄く維持するために次の芽を伸ばしたくない
などの目的をお持ちで
しかも全体に樹勢のいい杜松の場合は、これから紹介する付録の隠し技で解決してみましょう
伸ばしたくない部分を遮光率30~50%くらいの寒冷紗で覆います
極細の針金でヘアピンのようにして固定します
この杜松の場合は、下枝に比べて樹冠部の勢いがよすぎるので
その部分を制御するのが目的です
しばらくするとj寒冷紗の下でも胴芽をかけますが
その芽は遮光されているので、伸びが制御されるという寸法です
作業後を施した場合の注意点
1 鉢そのものは日当たりのいい置き場所で培養すること
決して日陰や寒冷紗下においてはいけません
2 10月の中旬頃になって、芽の動きが止まったころに寒冷紗を外し
その後は十分に日光に当てるようにします
3 その他の培養は、作業を施さない杜松たちと同じにします
チャレンジするひとは、実験的に部分からはじめて
要領をよく飲み込んでから始めるとよろしいでしょう
では
0 件のコメント:
コメントを投稿