2012年9月22日土曜日

杜松芽摘み納め

長く厳しかった残暑も九州を襲った大型台風の通過前後から
やっとやわらぎをみせ、過ごしやすい気候になってきましたね

さて今日は、杜松の今年最後の「納め」の芽摘みについて勉強しましょう

盆栽のジャンルとして、杜松は黒松や赤松、五葉松などと同じく松柏類に入りますが
本来はヒノキの仲間に入るために性質は違っていて、培養的にもやや異なります

暖地に自生するため、整枝剪定などは真冬を避けた方が無難であり
植替えの時期も、春先よりも4月中旬から5月にかけて行ないます

培養的に念頭に入れておくことの主なことは、杜松の根は黒松や五葉松に比べてやや細根なので
根元の根の塊に水が通らないことがあって、衰弱の原因になることが多いことがあります

ですから、植替えの間隔があいている場合は、根元の芯の部分が乾きすぎないように気をつけて
たまには鉢全体を水につけて、たっぷり水がいきわたるようにするのも一つの方法です

それでは


8月15日撮影

8月22日に古葉掃除と芽摘みを行なった杜松
日光と高温を好む杜松にとっては、今年の猛暑はかえって追い風になって、培養は順調です

8月22日  8月24日


わずか20日ほどで順調に芽が吹いて、次の芽摘みの時期がきています

杜松の秋の芽摘み納めは、だいたい9月中旬から彼岸ごろにかけて行ないます(関東地方)
この時期に最後の芽摘みをすると、次の芽が吹いてちょうどいい長さで止まってくれます


作業途中経過

まだ各枝の隅々には摘み残しの芽が残っていますね
また、差し枝の先端は、勢いをつけるためにワザと伸ばしっぱなしにしておき、芽摘みをしません


特に勢いのいい樹冠部は丹念に摘み込みます
まだまだ摘み残しがあるようです


差し枝の先端を残して、芽摘み作業完了


作業完了の樹冠部


摘み込みを控えた差し枝の先端


作業完了後の後ろ姿


★ さて、これより付録の隠し技

なんだこりゃ!

さて、これは

1 部分的に勢いがよすぎるので、その部分の勢いを抑制し
  その部分の勢いを他の枝に行き渡るようにしたい

2 晩秋から冬の展示会に出品予定なので
  枝棚を薄く維持するために次の芽を伸ばしたくない

などの目的をお持ちで
しかも全体に樹勢のいい杜松の場合は、これから紹介する付録の隠し技で解決してみましょう


伸ばしたくない部分を遮光率30~50%くらいの寒冷紗で覆います
極細の針金でヘアピンのようにして固定します


この杜松の場合は、下枝に比べて樹冠部の勢いがよすぎるので
その部分を制御するのが目的です

しばらくするとj寒冷紗の下でも胴芽をかけますが
その芽は遮光されているので、伸びが制御されるという寸法です

作業後を施した場合の注意点

1 鉢そのものは日当たりのいい置き場所で培養すること
  決して日陰や寒冷紗下においてはいけません

2 10月の中旬頃になって、芽の動きが止まったころに寒冷紗を外し
  その後は十分に日光に当てるようにします

3 その他の培養は、作業を施さない杜松たちと同じにします

チャレンジするひとは、実験的に部分からはじめて
要領をよく飲み込んでから始めるとよろしいでしょう

では

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