4月の初めごろに手に入れた時点で、大きな仕立鉢にはいっていたのですが
すでに少々芽が動いていたので、自重して9号の仕立鉢に移すのが精一杯だった山もみじ(樹髙15㎝)
おそらく取り木出身であろう根の張りは申し分なく、ボディーにも枝にも力があふれ
松粕類に負けない堂々たる古木の佇まいを感じさせてくれます
このように立派なボディーを具えていなが、途中で持ち荒らした感のある盆栽を
一度素材に戻して仕立て直すのが、盆栽人にとってはたまらない喜びです
購入の時点で気になっていた問題点は
利き枝の1と2で示した枝の流れ(全体としてAのあたりへ向かった筋が正しい枝の方向と思われます)
3で示した上部のゴツイ枝の処理の2点です
1と2の小枝の処理はかなり迷うところですが、2は間違いなく残すことになるでしょう
3についてはしばらく未解決のままにしておきます
後ろ姿です
赤点で示した2本の裏枝が重複して、ややうるさい感じですね
この時点で下の枝は切ることも考慮に入っていました
という、以上のような計画段階にあって、本格的な改作施術は来春と決めていた私
ところが、6月19のフリースクールに、所有権が移転してしまったのです(笑)
ハシやんはスクールに来るたびに、観察して構想を練っていたんですね
その構想にメドがついたのでしょう、ハシやんらしくあとの仕事は早かったですよ
」
6/19撮影
ハシやんの改作の構想も利き枝の処理が中心です
上下の赤矢印の枝を除去し、枝の筋は赤丸方向へと流れています
6/19撮影
そしてなんと、下の裏枝をこの時点で切り取りました
大きな枝を切るには、適期とはいえ、普通ならもう少し樹勢をつけて来春に
というのがふつうですが、果断な性格のハシやんは1年間も待ちませんでした
ところあが、サプライズはその日の剪定では終わらず
つぎの週のフリースクール(6月26日)にも起こりました
この日(6月26日)のサプライズは植替えでした
ハシやんは9号の仕立鉢から、いきなり20㎝足らずのこの楕円鉢に植替えてしまったのです
入梅中に、葉刈りと同時に植替えをする盆栽人は他にもいるので、想定内の作業ともいえなくもありませんが
私は、長い盆栽生活の中でも、この時期に、ある程度以上の高レベルの山もみじの植替えは、行なったことはありません
そうなんです
私たち盆栽業者にとって、盆栽は商品でもあり生活がかかっているわけで
100%に限りなく近い確率になるまで辛抱強く待つ習性がありますが
ところが、愛好家は待ちません
往々にしてプロがついていけないほど冒険家なのです
でも、この葉色から見て
この山もみじの植替えは確実に成功すると思いますよ
6/26撮影
さて、やはりこの時点でも、ハシやんは利き枝の流れに留意しています
来年の今ごろまでには、切り込みや針金掛けなどの技術を駆使して、自らの理想の実現に邁進することでしょう
6/26撮影
後ろ姿
このたくさんの肥料にもビックリです
また、カットパスターの外側からちょっと内側あたりに、円形に亀裂が入っていますね
これは傷口の周囲にカルスが発達し盛り上がっている印し、つまり樹勢がよい証拠なのです
では
この山もみじの次に掲載をお楽しみに
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