ある程度骨格の出来上がった盆栽になると、外見からは見えなくなってしまいますが
素材から盆栽の骨格を作り上げていく課程で、作者は幾度も勇気ある選択を迫られます
その試練は盆栽にとって一生背負い続けるものなので
若い成長過程での決断と適正な判断が求められることがあります
たとえば、今日の教材に選んだ山もみじの10㎝以下の素材ですが
大切な一と二の枝を処理を間違えると、先々の後悔は目に見えています
取り木で幹筋をゲットし、幹の切り返しで模様とコケ順もできました
ところが、一見いい位置に出ていると思われる一と二の枝が思うようではありません
そうです、胴吹きした芽に針金をかけて作ったのに、節間(せっかん)が長すぎるんですね
節間が長いとその途中には芽が吹きませんから、次の枝分かれを作ることが出来ず
樹髙を抑えても枝の長い間の抜けた樹形になってしいます
まずは右の一の枝から見てみましょう
1の枝が最初に作った枝ですが、節間が長くて使い物にはならないので
昨秋に途中から止めておきました
2の枝も節間が長すぎますね
今春、うまいことに1の枝元に芽が吹きました(3の芽)
このように後から胴吹きした芽はあまり徒長しませんから、この芽を一応新しい枝として作っていきます
さて、左側の二の枝です
やはり伸びすぎているので、もっと節間の短い枝に切替える必要がありますね
青点の箇所が芽の吹きそうな感じですから、やはり段階的に切り詰めることにしましょう
下の小さな芽に切替えるという決断をしたので、従来の枝は切り詰めます
この山もみじの将来がこの小さな胴吹き芽にかかっている、そういっても言い過ぎではないほど大切な一芽ですね
切り込んだ枝元は今すぐに削り込む必要はありません
新芽がもっとしっかりし木質化してからにしましょう
左側の二の枝も、新芽が期待できる位置の手前まで短く切り詰めました
枝の途中にうまく芽が吹いてくれれば幸いです
今日のポイント
素材から盆栽を仕立てていく課程で、節間の長すぎる枝は、思い切って追い込むか切替えるかしましょう
もったいながって早めの決断ができないと、先々後悔しますよ
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