今では、小品盆栽の世界に長寿梅の単幹は多く見られるようになりましたが
そうですねー、20~30年くらい前までは長寿梅といえば株立ちと相場がきまっていました
木瓜や草木瓜(しどみ)の仲間なので樹種の性質からして当然で
現在でも普通サイズの盆栽の世界では、樹形はやはり株立ちが主流です
幹が太らない性質のため、大きな盆栽では、単幹の堂々たる模様木、望んでもこれはちょっと無理なことですね
例えば直径が5cm以上の長寿梅なんか、大盆栽であってもめったにありませんね
ですから、長寿梅の単幹といえば、これはもっぱら小品盆栽
とくにミニの世界の専売特許とも言って過言ではありません
ですから、同じ長寿梅であっても、大盆栽では株立ち状の全体の趣をはじめ
持込の枝先のほぐれや古色を味わうことになります
いっぽう単幹の場合は、根張り、幹模様、枝順など
本格的な模様木としての基本に主眼がおかれ、さらに枝ほぐれや木肌の古色感も味わえます
まさに、長寿梅に関しては、ミニ盆栽の世界は幸せな限りなのです
さて
長寿梅単幹模様木 樹高9.0cm
ベテランの愛好家が約20年、すでに基本の出来上がっていた模様木を持ち込んだもの
足元と各枝の力感がみごとですね
この長寿梅を20年間見続けてきた親しい同業者の証言では
太さは20年前とさほどは変っていないそうです
正面の拡大図
幹筋が素直で傷っけがないのが魅力です
無理な切り戻しをせず、じっくりと辛抱強く持ち込んだことがわかりますね
向かって左の足元に、昔の枝抜きの痕がありました
癒合剤を除いてみると、ほとんど肉巻きが完了していて、枝抜き後の順調な培養がうかがえます
枝先のほぐれの様子を見ます
長い持込によって、枝先は密に落ち着いて品格が感じられますね
こうなればいたずらにツンツンと徒長はしませんね、↓の若い長寿梅と見比べてみてください
枝先が徒長しないようになるまでには
バランスのとれた適切な培養管理が必要です
まだまだ摘み込みを繰り返す必要がありますね
後ろ姿にも落ち着いた風格が感じられます
0 件のコメント:
コメントを投稿