2017年9月10日日曜日

舞姫ボディー作り

昨年の9月中旬に同じ題名で舞姫のボディー作りを紹介しましたが
さらに読み返してみると、おなじく6月の初旬にも同テーマのページがあるようですね

参照してください

2016/9/17  2016/6/1  2015/6/5

さて、今年の舞姫のボディー作りの進み具合を申し上げますと
まずは、第一に肥培して太らせること、そして第二に個性ある樹形作りを目標にして出発しました

今年の夏はかなり変則な気候でしたが
さいわい日照の少なかったぶん、葉焼けは少なかったようです

さらに、入梅から夏にかけての強い剪定は控えめにした効果で
新芽はまあ順調に伸び、現在は秋に入り枝葉の充実が外見にも現れております

夏場の葉焼けや入梅以後の強い剪定は、秋口にかけての肥培を一時的に休止させてしまうので
種木作りの場合などは特にはこの点に気をつけてやる必要があります

個性的な樹形については、入梅前後の剪定を控えたため
思わぬ箇所や方向に不定芽が暴れたりして、予想外の効果をもたらしているのが楽しみです

それでは見本の素材をみながら
近未来の姿をシュミレーションしてみましょう


5~6年生の挿木苗

針金で結束したあたりで直径は2.3㎝ほどなので
来春に取木をして独立した時点では約2.5㎝以上の堂々たるボディーになっているでしょう


針金で結束したあたりが根張りになります
その上の切り返しによる模様部は肉巻きが完了しています

上の赤線を切り返して次の模様を作ります(来春以降の作業となります
上の赤点の枝が新しく芯となります


ボディーの形

ここまで来ると盆栽作りの基礎はああらかた7割の道程は過ぎています
焦らずにじっくりといきましょう


独立への手順

取木(来春3月)→ 取木外し(入梅ごろ)→ ボディー作成(夏ごろ)→ もう一度根さばき(翌々春)


参考画像(後姿)


参考画像(後姿)


もう一鉢

今度は個性的な変わり木です
取木をした痕に出た不定芽が自由に伸びて変てぐちゃぐちゃです


余分な枝葉を消して骨格部分だけ見てみましょう
なんとか形になりそうですね


さらに小さくボディーだけを取り出して見ると
足元がモッコりした株立状の超ミニが取れそうですね


こんな感じです
案外面白いかもしれませんよ

それでは

2017年9月6日水曜日

藪椿変わり木

先週の土曜日、私の古い友達が主催している交換会で見つけた
藪椿の変わり木をご紹介いたします

やはり古いお付き合いの隣市のセミプロさんが持ってきた売り物で
なんでもさる愛好家さんが長い年月可愛がっていたそうです

もちろんこんな掘り出し物は、めったあるものではありません
チャンスは逃さずビシッと決めました


義村秀峰の緑釉(りょくゆう)の古鏡型(こきょうがた)に入っていて
鉢のバランスなどは申し分ありません

さて、ご覧のように、肩から落ち枝のある変わり木調ですから
見る人によって正面が異なってくることも予想されます

現在見ているのは裏面ですが
この角度が正面になることもあり得ると思います

こんな感じの変わり木は、回し台に載せて飽きるほどに眺めているうちに
自然と自分の感覚にあった正面が決まってくるものですから、決して慌てたり焦ったりしてはいけません


ぐるぐる回して飽きるほどに眺めているうちに
やっと自らの感覚にマッチした正面が決まったようです

この角度が正面です

改めてそう宣言したのには訳があります

じつは、以前の持主さんが二つの正面を一方に決めかねて
裏表のどちらかからも眺められるように、作り込んでいたらしいのです

盆栽の正面を変更することは、ままあることですが
二つの正面を高いレベルで維持していくことは、これはなかなか難しそうですね

ですから、これからはどっちつかずの中途半端はやめて
新しく決定した正面から厳しく盆栽美を追求していくつもりです


この藪椿の樹高は62㎝ほど
根上りの自然な模様と器用な落ち枝の味わいが見どころですね

冬から早春にかけてひっそりと膨らむ蕾と真っ赤な花弁
藪椿は静寂と艶ややかな風情を併せ持っていますね


やわらかな模様と落ち枝の妙
持ち込めば持ち込むほどに趣は深まっていきます

椿というジャンルはポピュラーな割りには名木が少ないジャンルですね
みなさんももっと周囲に目を光らせて椿の盆栽を探してみてください!

2017年8月29日火曜日

姫柿竹の子幹(ひめがき・たけのこみき)

竹の子幹(たけのこみき)とは、立ち上がりが太くて寸法が短くてコケ順の急な幹をいい
盆栽界においては総じて褒め言葉であり、優秀な個性を表す場合に用いられます

特に樹高の低い超ミニの場合は、この姫柿のように激しい模様が入っていれば
迫力あり、変化ありで、まさに鬼に金棒! 素晴らしい個性になります

いかがですか、 超ミニ大好きな愛好家さん
ほとんどの方は竹の子幹、好きですよね!?


やはりこの姫柿の竹の子幹も、数年間我が棚で暇つぶししていた素材ですが
先日棚掃除のおりに、暫くぶりで目と目が合って取上げたわけです



よくよく眺めてみると

1 激しく曲がった足元からてっぺんにかけても幹筋が素晴らしい

2 腕伸びしていますが、左右のいい位置に利き枝がついています

3 足元から中間の幹筋へと模様がきれいにつながり、その上の芯へと達する流れがいい

4 高さ7.0㎝の位置に新しい芽が吹いているのが、新しい芯です

など見どころもたくさんあって将来有望です


以前はこちらが正面だったような記憶がありますが・・・


赤点で示した不定芽が新しく芯となります
いい位置に吹いてくれました



1 新しく吹いた芽があと5mm下であれば言うことなし、とも思いますが
  まあ、それは贅沢というもので、人間様は勝手すぎると姫柿君に笑われるかもしれません

2 この芽の下部にも芽当たりが隠れているような雰囲気がありますから、僅かに期待はしておきましょう

3 左右の枝は運を天に任せて当てずっぽうに切り込みます
  このような場合でも、姫柿は不定芽が吹きやすいので心配要りません


来春の彼岸ごろに根をさばいて植替えをし
同時にボディーと利き枝の主要部を残して強く切り込みます

その後入梅前に、新しく吹いた不定芽に針金をかけて
樹形の基本を整えていきます

竹の子幹にこれだけの面白い模様が入っていて
傷っけも少なくて、何よりもサイズが7.0㎝の姫柿

貴重品ですね
頑張りまーす!

2017年8月26日土曜日

山もみじ超ミニ

およそ3年くらいは我が園の棚にいると思われる山もみじ
棚の掃除をしていたら、しばらくぶりで目に付いたのでとりあげて見た

たしか取木をした素材を友人から分けてもらったもので
足元はかなり太って木肌も古ぶるしく、すでに縦縞が出かかってきています

今は長方鉢に入っていますが、雑木なのでやはり色物の楕円鉢が似合うでしょうから
来春には鉢を替えてやるつもりです


見たところ、将来の幹筋と枝配りなどの基本を決める時期が来ていますね
さあ、どのような計画になるでしょう!?


向かって左側の太い枝を芯として採用することも考えられますが
真ん中の赤点付近に不定芽が吹くでしょうから、その芽を頂上の芽として木作りします

そうすると、左右の太めの立枝は不要になりますから
芽当たりの関節を残して追い込みます(左枝は元から切る)


(左枝は)切った枝元の細い枝を使います
(右枝は)来春以後に出る不定芽を当てにしています


新しい芯として採用する不定芽付近に、太めの不要枝があります
もちろんこれは切るんですが、来春のことにしますよ


葉を隠してボディーだけ見てみましょう、けっこう貫禄があってなかなかですね
切り込みによる古傷もすっかり癒えて、今ではかえって幹味となってイイ感じです



次の3点がポイントです

・左右にバランスよく利き枝があります
・後ろ枝もあるので姿に奥行きがあります
・芯となる芽は、間違いなく予定地ふきんに吹くと推測されます

そして楕円のやや浅目の鉢に入れてやれば
根張りが強調されてかなりの出世が見込まれます

よろしいですか、みなさん!

たまには、盆栽棚の隅で置き去りにされている盆栽くんと、目を合わせてあげましょう
気が付いてみるとしばらくみないうちに、案外にがんばって成長しているかもしれませんよ

それでは

2017年8月21日月曜日

雄山鉢真贋

最近手に入れた藤掛雄山鉢が
贋作であったというお話しをいたします

つい一ヵ月ほど前、しばらくぶりに立ち寄った親しい同業者から
分けてもらったものです

お店の床の間に置いてあったこの雄山鉢にお目にかかった当初は
かなり絵がまずいなあ、雄山としたら下位の作柄だなあ、と思ったくらいで大して関心は湧かなかったのですが

その後で何気なく聞いた値段がバカに安かったので
急に興味が湧いたのでした

商売人というのは卑しい生き物で(笑)、当たり前のものが当たり前の値段で売っていても
正直、ちっとも面白くは感じませんが、それが破格の値段となるとたちまち興味津々です

「安けりゃ絶対値切れ!」とばかりに
一生懸命に値切りにかかり

そして最後には
市価の三分の一まで値切り倒してしまいました

ところが、後になって振り返ってみると
この場合、普通取引の際に感じられる高揚感がまるでなしなんですね

そうなんです

盆栽屋が一番の幸せ感を感じるのは
自分の好みの商品を格安で仕入れられた時なんですが

金額にばかり目が向いている私は
一番に拘るべき品質には全く目を留めてはいなかったのですね

だから普段は感じられる喜びが
感じられるわけがありません

家に帰って冷静になった私の目には
この雄山鉢は、できの悪い偽物にしか見えなくなっていました

もちろん、これを売った同業者が悪いのではありません
彼ははっきりと、贋物だよねと言いながら安値を提示し、値切りにも応じた訳です

それを私が勝手に希望的な印象のもとで
自らの気に入った価格まで値切って商談したのは明らかです

だから皆様にここで私が言いたいのは、ものに安い高いはつきものだけど
もっとも大切なのは品質ですから、とにかく感動を伴ったいい買い物を心がけましょう、ということです


藤掛雄山・五彩外縁撫角長方  間口11×奥行き9.6×高さ3.8㎝

一見よくある雄山の五彩長方
ボディーの感じなどはまるで本物だ



正面の拡大図

アップで絵柄を見ると

1 真作に比べて描写力や筆致力などの不足が感じられる
2 青、赤、黄色など釉薬の鮮明さが物足りない
3 特に動物(馬)の描写に躍動感が感じられない


馬の描写が物足りないですね
雄山はこんな狐みたいな馬の顔描くかな?


反対正面

人物の配列にリズム感が感じられない


ボディーや土目からは贋作の匂いは希薄です


鉢裏と足の様子
落款からの決定的な判定も難しいと思われます

ですから、この鉢の場合は、雄山の通常作品における総合的な絵画力に重点を置いて鑑定した結果
真作とするには力量不足であると言わざるを得ないのです

2017年7月8日土曜日

スクール速報・舞姫もみじの取木

3週間前に取木をかけたクロちゃんの舞姫超ミニ
ためになる話題なので皆様にご紹介いたしましょう

クロちゃんが超ミニをゲットする目的で素材の2箇所に取木をかけたのが6月11日
この写真を撮ったのが3週間後の7月2日です

今までの経験から、発根が始まるのが3週間くらいとおおよその目途を立てておいたのでしょうね
クロちゃんが発根もよく確かめずに案外無造作に水苔を取り去ってしまうと

ご覧のように当然発根はまだまだ状態ですから
水苔部分はもろくも簡単に崩れ去って施術箇所が剝き出しになってしまいました


そして、まだカルスが未分化状態のこの時期に
親木から切り離して挿木をするような感じで植え込んでしまいました


ありりり、発根まだじゃん、ちょっと気が早すぎじゃん
とみなさんは思うでしょうが、あまり心配することはありません


環状に剥皮した箇所のカルスが形成されています
そこから数本の根が分化しています

すでに分化した立派な根ですから
親木から切り離しても十分に生きいけるでしょう


発根部分の拡大図


矢印の先が分化した根です
根数を増やして生き残ろうと必死に頑張っています

他の場所からも再生のための新しい根が
続々と出てくるはずです


仮にもしこのあと2週間ほど放置したとすると、このように発根過多となり
立ち上がりの整理に手間がかかると同時に、きれいな仕上がりが難しくなると思います

ゆえにクロちゃんは、根の数よりも後々の段取りと仕上がり具合を考慮して
あまり根が出過ぎないうちに親木からの切り離しを敢行したのです

舞姫のように根の出やすい樹種では、発根の時期を逆算して推測し
あまり発根数が多過ぎないうちに親木からの切り離しを図ることも大切な技術の一つです

それによるメリットは先ほど申し上げたように
仕上がりのきれいさ、作業の段取りなど、計り知れないものがあります

では!

2017年6月29日木曜日

舞姫もみじ超ミニ(本格模様木)

舞姫もみじに出会ってすでに5年ほどになります

そしてこの数年、挿し木と取木に励んだせいで量的にはかなり殖えましたが
しかし、仕立て中の素材の質となると、前途にやっと微かな明かりが見えてきたという段階です

挿木苗も取木でゲットした素材苗も、ある種の癖というか個性がほしいのですが
面白さが感じられるものは案外にすくないのが実情です

ですから、わずかにでも何かが感じられる素材には積極的に手を出して
その癖なりをいい意味での個性として伸ばしてやることが盆栽作りの道といえるでしょう

というわけで、昨日も目についた一本の舞姫もみじを
超ミニの本格模様木にすべく手を加えたところです


切り戻しによる新しい模様木の樹高は約6.0㎝.
足元の幹径が約1.8㎝くらいの舞姫もみじの超ミニ模様木の素材です


拡大図

足元に一曲ありますね
挿木苗などではこの程度の一曲ですら希少ですよ

足元に一癖ある素材はありがたい
その理由は↓をごらんください


上に不定芽があって新しい芯になりそうです
思い切りよく赤線で切り返す


これで二曲目の模様ができました
ちょうどいいところに一の枝がありますね


表と裏を取り換えてみました
こちらが正解にようです


向かって右に一の枝で緑色は裏枝となります
赤点の箇所に二の枝があれば理想的ですね、後日呼接ぎなどで補充するつもりです


予定の樹高は約6.0㎝以内です
超ミニでも本格的な模様木です

ポイント

超ミニの利き枝は一とニ
曲は二曲あればいい

2017年6月1日木曜日

実物盆栽

葉の緑色が日ごとに濃くなるに従って
その葉陰に、あれっと思うほどに大きくなっている実成と出会う季節になりました

盆栽屋は木姿の能書きは好きなのですが
実成盆栽は総じて苦手な人が多いようです(私もその一人)

というのは、ちょうど実がとまるころ、つまり5月末から6月中旬ごろに
新梢の伸びも一層盛んになってくるため、乱れた枝先に我慢しかねてハサミを入れてしまうんですね

するとせっかくの花芽が葉芽に化けちゃって
花が咲かなくなってしまうんです

ですから、ほとんどの実物樹種が、夏の7~8頃にかけて花芽が分化するので
剪定はそれ以後の10月から12月頃にかけての落葉期が適期なのです


姫りんごの超ミニ
やっと実をつけることができました


姫りんごは深山かいどうなどのりんごの仲間と交配するとよく成ります
同じ姫りんご同士でいくら交配しても実は成りませんよ


珍しいゆすら梅のミニ盆栽
ルビーのような真っ赤な実成がきれいです


宝石のように輝いています


サクランボにも似てますね


姫柿のミニ盆栽


雌雄異株ですから雌木でないと成りませんね
また雄木を近くに置くと実どまりがいいようです

実物盆栽で他に注意すること

1 実が安定するまでは強い肥料をやらないことl
2 水切れはぜったい禁物ですよ