2020年8月9日日曜日

百日紅の季節

子供のころ育った家の近くの大きなお寺の本堂の裏庭に、池に向かって一本の百日紅の老木が身を乗り出すように植えられていました。今思い出すと、盆栽の半懸崖式のように池のかなり中央の方まで枝をせり出していたようです。
毎年入梅が明けて初夏の明るい太陽が輝くこの季節になると、その池の面に照り映えていた百日紅の鮮やかな紅い花を思いだします。


飴色の艶のある木肌は、名前の通り木登りの名人猿でさえ滑り落ちそうなほどツルツルです。まずこの美しい木肌と瀟洒な枝振りがさるすべりの最大の魅力でしょうね。
遊びに夢中になって何度も池に落ちそうになりながらも、不思議な枝振りのこの木の個性に何となく魅せられていたことを覚えています。


これは大人になって盆栽に親しむようになってから知ったことですが、百日紅の花には、紅、ピンク、紫、白などがあって、葉や小枝にも細かいのから粗く大き目のものまであるようです。もちろん、細かい方が盆栽として作りやすいのは当然です。

剪定は秋から春先にかけて行い、冬の寒さに弱いので冬囲いを忘れずにします。春の芽出し後に剪定をすると花芽が飛んでしまうので、要注意です。



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