2014年10月15日水曜日

舞姫・取木の下準備

昨年の9月初旬に舞姫の種木を追加仕入したことは「つれづれ草」でご紹介しましたが
今日のつれづれ草はその記事を参照しながらご覧になって下さい

昨年9月に追加補充した種木は、ほとんどが取木用に針金で結束してあったんですが
そのコブ状のクビレの箇所に水苔を巻いて保護しておいたところ

去年は特に残暑が厳しく10月半ば頃まで気温が高かったせいでしょう
ほとんどが発根してしまいました

つまり、一年に2回も取木ができたという結果になったわけです
もちろん想定内のことでもあったので、秋の内に親木から取り外して仮植えのまま無事越冬しました

そういう事実もあるので、環状剥皮(かんじょうはくひ)による取木をするときでも
下準備の針金結束を施をお勧めします

で、今日はその下準備の効果のほどをお見せしましょう


盛夏のころに太幹の種木の上部を針金で結束
結束箇所の幹径は3.0cmで、舞姫もみじとしてはかなりの太さがあります

ただ、この箇所のさらに上部には、この春から入梅にかけ何本も取木をかけておいたので
夏以降も葉数がやや少なく、幹の太りが鈍ったため、針金がほとんど食い込んでいませんね

この感じだと、針金が食い込んで結束の効果が現れるのは
早くとも来年入梅前ごろまで待たねばなりません

もうちょっとの我慢なようです


さて、こちらは中ぐらいの太さですが、かなり食い込んでいますね

ちなみに、下の矢印(2)の部分の幹径は1.2cmなのに
上の矢印(1)の部分はすでに幹径1.5cmに太っているんです

このように針金の結束法は、発根の促進だけでなく
ゲットしようとする種木の根元にあたる部分を急速に太らせてくれる効果も絶大なんですね

こりゃ、やめられませんね!


こちらは細幹の様子

結束した上部には葉がたくさん繁っていたので
幹の太りが促進されてご覧の通りです


矢印上からの太さ(幹径)は

(1)は1.1cm
(2)は1.4cm(根元になる部分)
(3)は0.9cm

つまり、針金結束によって取木後に根元となる部分は
すでに直径で0.5cmも太くなっているんですね

これに加えて(2)付近からの発根により、さらに太りは促進されますから
元の太い堂々たる立ち上がりがさらに強調されるはずです

このように取木前の針金の結束による効果は、たんに発根が促されるだけではなく
ゲットする素材の優劣に深く影響するわけです

みなさんも優れた素材を求めるならば
このようにちょっとした心がけで可能性が大きくふくらみます

それでは、まずは実行ですね

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