2006年6月5日月曜日

均窯の魅力

支那鉢の中でも特に人気の高い「均窯」についてのお話です

盆栽界において長年の間、「均窯・きんよう」という名で呼ばれてきた鮮やかな空色の釉薬

近年では「均窯」とは中国の特定の窯の名であることがわかり、「均釉・きんゆう」と表現されるよう改められていますが
やはり長年の慣習に従い盆栽屋の多くは「きんよう」と発音しています

私も「均窯・きんよう」派ですが
あまりこだわる必要はないでしょう



北京の故宮博物院展が日本で開かれたときに「宋均窯・そうきんよう」の小鉢を観ました
それも堅牢な感じのする、光沢あるの鮮やかな空色でした

現在盆栽界で珍重されている均窯の鉢のほとんどは
清朝末期に日本からの製作依頼により焼かれたもので100年ほどの年月を経たものです

「均窯」と一口に呼ばれるものでも色調により区別され
空色の「均窯」、黄色の「黄均窯・ききんよう」、草色の「草均窯・くさきんよう」、白色の「白均窯・しろきんよう」

さらに、椿の葉のような深い緑色は「椿窯・ちんよう」
お月様のような青味がかった白色を「月白均窯・げっぱくきんよう」などと微妙な表現をします

やはり日本人の自然に対する感覚とその表現はデリケートです



土目によっても発色がやや異なります
この均窯のように固い朱泥の場合がもっとも発色が鮮やかです

拡大図を見ると釉薬の表面が堅牢なガラス質に覆われてるのがわかりますね
均窯の光沢のある色彩はここからきます

長年の使い込みにより表面のガラス質に無数の細かい磨り傷がつき
渋みが雅味となり風格を高めていますね

このように長い年月の使い込みに耐えうるだけの焼きの固さと釉薬の堅牢さと光沢
これが支那鉢の凄いところです



鉢裏にも釉薬が施され、一層の高級感がありますね
ちなみに、このように鉢裏にも釉薬が施されている場合は、裏釉(うらぐすり」が掛かっている鉢と表現されます

支那鉢の均窯鉢の魅力
少しは分かっていただけましたか?

では

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