苔とくれば、「苔むす」と云うことばに代表されるように
石垣や庭園の古色蒼然たる時代感を演出する、日本人の美意識の中では大切な要素ですね
盆栽においても、苔は美的な観点ばかりでなく培養上もいろいろな効能を持っていて
地味ながら大切な役目を担っているんですよ
まあ、人間の場合は、「転石苔むさず」、つまり
たえず新しいことにチャレンジしていれば老いぼれない、といきたいものですが(笑)
ところで、植え替えたあとや展示会出品する場合などは
あらかじめ苔を多めに採取しておきます
1 手持ちの盆栽の鉢内
2 石垣や石塀
などの、なるべく水はけのいい場所に生えている乾性(かんせい)の苔がよい
湿気の多い場所に生えた湿性(しっせい)の苔は、見た目にも培養上もふさわしくない
採取した苔は、濡れた新聞紙などに並べて置き
冬期であれば凍らない冷暗所に保存する
植え替えたばかりのうぐいす神楽
このままだと
1 見た目が引き立たない
2 水やりの際に用土が流れ出してしまい根が露出したりする
そこで、採取した苔を使って化粧をしてやることにしました
事前に太さ1mmくらいの針金で長さす2~3cmのヘアピンを作っておきます
鉢の外縁を最初にして、徐々に内側へ向かって張り始める
大きな苔は数個にほぐし、微妙な起伏をつけながら張ると自然な味わいがでる
外縁の苔が崩れ落ちないように、あらかじめヘアピンで固定しておくとよい
同一でなく、色合いや質感、大小などの異なった苔で変化をつけると趣がでる
また、隣り合った苔のメジから表土が見えないように気を配るのも大切なコツです
苔張り完成です
うぐいす神楽の飴色の木肌と瑠璃色の鉢の色彩に
光り輝いた苔の緑がよく映えていますね
また、苔の培養上の効能として
1 冬季、根の保温の役目をしてくれます
2 夏季には保湿の役目をするとともに、外気の暑さから根を守る役目もしてくれます
後ろ姿
後ろ姿の拡大図
というわけで、竹ベラを持って近所の公園に行ってみましょう
丈の短いビロードのような苔が見つかるかもしれませんよ
では
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