2015年1月10日土曜日

梅の剪定・花芽と葉芽

桜と並んで日本人が大好きな花はといえば、それは梅に決まっていますね
そして盆栽界においては、花もの盆栽の最高峰としての実力と人気は云うまでもありません

ところがその梅の培養法となると、あんがいに誤解している初心の愛好家さんが多くて
特に小品からミニ盆栽の領域では普及率がイマイチの感じです

そこで今日は、当園で売り出している野梅の超ミニ素材を使って
剪定の基本をしっかり押さえておきたいと思います


野梅超ミニ

梅の新梢にある「芽」には「花芽」と「葉芽」があり
暮れごろになると「花芽」が少しずつ膨らんできます

現在ほんのりと色づいて膨らみかけているのが「花芽」で
それよりもウーンと小さくて殻のほぐれていないのが「葉芽」です

「花芽」には花蕾があって、花が咲いたあとにそこからは新芽が吹かずに
「葉芽」からのみ春の新芽が吹くんですよ

ですから、松竹梅の寄せ植えの梅などを盆栽に仕立てようとしても
ほとんどが「花芽」なので、花後の新梢はほとんど枯れてしまいますね

というわけで、ここがポイントです、よろしいですか

梅の芽には「花芽」と「葉芽」があって
春の新芽は「葉芽」からのみ吹いてくるんです


そこで、みなさんは「花芽」と「葉芽」の区別を見分ける必要があるんですね
↑は「葉芽」だけの新梢ですから、どこの節からも剪定できますよ


↑の赤点が「花芽」、つまり花蕾ですね
青点でしめしたのが「葉芽」、つまり新芽はこの殻に閉じ籠って春を待っているんですね

そこで、花後には先端に「葉芽」を残して剪定する
これが基本中の基本となります


↑の画像です

「葉芽」は単独だけでなく、「花芽」のある節にも付きます
「花芽」の裾脇にこげ茶色の小さな「葉芽」がついていますね


↑の画像

新梢の先端に「葉芽」、元に「花芽」のついた例
このような場合でも「葉芽」を残して剪定します


↑の画像

ほとんどの節に「花芽」と「葉芽」が一緒についている例
剪定がとても楽です


↑の画像

先端のみに「葉芽」がついて、あとは「花芽」ばっかりの例
しまった短い枝の場合によくありますが、この場合も先端を剪定してはいけません


A~Cまでの「花芽」の裾脇には「葉芽」はありませんから
1~8の「葉芽」を先端に残すようにして剪定してください


後ろ姿です

よく見ると、「花芽」の裾脇に「葉芽」がしがみついた感じで発見できることがあります
剪定の際には「花芽」と「葉芽」をしっかり区別して剪定しましょう

ちなみに、松竹梅用などの花芽のつき易い品種(花梅)の剪定の場合は
「花芽」の裾脇の「葉芽」をよく探し、その「葉芽」を残して剪定するようにします

また、4月末から5月上旬ごろに新梢の元の新葉を数節部分葉刈りすると
「花芽」と「葉芽」を同時につけることが多いんです

それでは、みなさん、今年もよろしく!
野梅のミニ盆栽にチャレンジしてくださいね

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